2023年秋の奄美旅行のレポートの第4弾。今回は「奄美の渓流の植物観察(1日目よりさらに奥へ)」について紹介していきたいと思います。
奄美の動植物の生きる環境を知ることで、生き物の繁殖や適正飼育に活かしてもらえたらと思います。
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なお徳留アクア工房の徳留は、法律とマナーを守って、野生動物とペットのより良い未来を実現するために行動をおこなっております。
もし「奄美大島の生物の採集はとんでもない!」と思われる方がいらっしゃいましたら、↓は過去記事ですが、「奄美大島の生物観察や採集」につきまして、私の考えや理念、法律の解釈などを記載しておりますので、ご一読下さい。
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奄美大島2日目は、1日目に見つけ切れなかった植物を求めて渓流のさらに奥に向かいます。1日目で通った場所は「ざっくり」と観察して植物を探しつつ――川を上っていきます。
川がカーブしているので、浅い場所と足のつかない深い場所が交互に出てきます。浅瀬を左右に渡りながら進んでいきます。
途中、奄美の植物もたくさん観察できます。
↓はリュウキュウマメヅタですが、獅子葉のような変わり葉が見られましたので写真撮影。
↓は渓流の斜面にリュウビンタイやヒカゲヘゴが生えています。
奄美の道の駅やホームセンターでヒカゲヘゴなどを目にしますが、実際の生息場所に足を運ぶことで「育成環境を体で感じる」ことが出来ます。
・渓流沿いの風通しの良い、やや涼し気な場所(蒸れない)
・木洩れ日が当たる場所(明るすぎず、暗すぎず)
・赤土の地面、斜面や岩などに生えている(肥料分は少なそう)
・水分が豊かな場所(霧が発生したり、川から水蒸気が上がってきたり、雨の後は増水するような場所にも)
体感的に、リュウビンタイは川沿いの斜面や岩の上、ヒカゲヘゴはそれらプラス地面にも生えている、という印象でした。
あと、↓のような百日紅の巨木もちらほら見られます。
色々な植物が着生していて、迫力満点です!!
↓のように、日当たりや空中湿度などで「着生場所が変わる(=棲み分けが出来ている)」ような印象でした。
途中、↓のような倒木がある場所もちらほら。ハブに気をつけながら、隙間や枝の下を進んでいきます。
鹿児島や熊本、宮崎といった南九州の渓流はよく行きますが――川の中は、やっぱり雰囲気が良くて好きです。
ちなみに、川の中を歩いていると「ハゼのような黒い魚」が時々、逃げていくのが見られました。本土のハヤのように、水中で群れている小魚は見かけませんでしたが、サワガニ(奄美や沖縄の固有種)も時々、川原の湿った砂地や石の間を歩いていました。
なお、森の中の倒木の上には、鹿児島県の県希少野生動植物の保護に関する条例で規制されている「バーバートカゲ」が日向ぼっこをしている姿が何度か見られました。バーバートカゲはオオシマトカゲと見た目がかなり似ているので、奄美大島でオオシマトカゲを採集する時には注意が必要です。(オキナワトカゲも見た目が似ていますが、生息する島が限定されているので、事前に調べておけば誤って捕獲することを防ぐことができます。これらは、生息地の違いや鱗の数で判断することが出来ます)
↑の写真の倒木にも、バーバートカゲがいました。なお、バーバートカゲを傷つけたり、捕獲して持ち帰ったりすると重たい罰則があります。(「県希少野生動植物の保護に関する条例」の規定に基づくもの。指定種を無許可で捕獲・採取すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される)
奄美大島では、↓のように本土では見かけない植物も多いです。コレはサクラランという規制されてはいない種類ですが……保護区内ではばっちり規制&罰則アリなので、自然の中で動植物を採集したい時には事前の準備と勉強、最新の情報収集(場合によっては許可の申請なども)が欠かせません。
そうこうしているうちに、川が分岐して、徐々に幅が狭くなっていきます。
岩の上には、複数種類の苔が生えています。↓はクジャクゴケとかの仲間かなと。
奥まで行ってハブに噛まれたくない&時間も良い時間になったので、ここら辺で撤収することにします。
↑とかの様子を見ると、奄美のシダ類の生息状況がイメージできるかなと思います。
元の道に帰る途中、↓のような巨大なヤスデも見つけました。流石に、観察するだけで触れません(笑)
――ということで、3時間ほどで川を往復してきました。目的の植物は見つかりませんでしたが、奄美の豊かな川沿いの環境を体感することが出来る貴重な時間でした。
動植物の観察は「最初の1本、最初の1匹」を見つけることが出来ると、目が慣れてきて続々と見つけることができるようになります。私の場合も今回は目的の植物を見つけることが出来ませんでしたが、また次回以降のリベンジをしたいと思います。
――ということで、また次回の記事でお会いしましょう♪ 次回は、2日目の後半『海沿いの公園で爬虫類採集』になります!