(2023年秋:奄美旅行レポート⑤渓流のさらに奥に&海辺の公園での爬虫類の採集2日目_後半)

2023年秋の奄美旅行のレポートの第5弾。今回は「奄美の海辺の公園での爬虫類の採集」について紹介していきたいと思います。

なぜ、海辺の公園で爬虫類を採集するのか?――その理由は「オオシマトカゲを合法的に採集したい!」という気持ちがあるからです。前日、川沿いの森の中でバーバートカゲを複数目撃し、類似している島のトカゲのオオシマトカゲも観察&あわよくば採集したい! と感じたからです。

なお、バーバートカゲとオオシマトカゲは外見上では、ほぼ見分けがつきません。

体を一周する鱗の数で判別ができますが――間違えると「違法=新聞に悪い意味で名前が載る」ことになってしまいます。しかし「バーバートカゲは森の中や山の中に棲む。オオシマトカゲは海沿いや平地に棲む」というように、棲み分けが出来ているので、今回は海辺の公園にてオオシマトカゲや他の爬虫類を観察&採集しようと思いました。

ちなみに↓のようなポスターが奄美各地にあるように、「知らなかった」では済まされない生き物も奄美にはたくさんいます。

また、自然保護区もいくつかの区分けがされていて「合法」「規制(違法)」のラインが明確に決められています。本当に「知らなかった」では済まないことがあるので、奄美大島などでの生き物の観察や採集は「事前に知識と法律と安全対策を良く学んで」から行動することが大切です。本当に「無知は罪」です、「分からないのなら手を出さない」のが正解ですから。

ちなみに、今回の記事も過去の記事も「奄美の生き物の生息地を知ることで、生き物の適正飼育や繁殖に活かすため」に徳留アクア工房では公開しています。乱獲や違法採集を防ぐ意味でも、観察や採集のポイント公開はしていませんし、お問合せがありましても(恐縮ですが)教えることはできません。

その一方で、「アマミシリケンイモリの繁殖やCBの累代飼育、幼生~上陸させるまでの難しい時期の管理方法」「奄美の植物の管理方法や冬場の育成方法」「奄美大島の生物観察のコツ(法律や生き物などを学べるサイトや方法、安全対策)」など、質問やお問合せがありましたら、可能な範囲でお応えするようにしております。
(↓の★と★の間のように、毎度毎度ではありますが「徳留アクア工房の生物採集の理念」も奄美採集旅行の記事には毎回載せています。法律の範囲内で、良識を持って行動することが大切だと、徳留アクア工房の徳留は考えています)

徳留アクア工房の徳留は、法律とマナーを守って、野生動物とペットのより良い未来を実現するために行動をおこなっております。

もし「奄美大島の生物の採集はとんでもない!」と思われる方がいらっしゃいましたら、↓は過去記事ですが、「奄美大島の生物観察や採集」につきまして、私の考えや理念、法律の解釈などを記載しておりますので、ご一読下さい。

(2023年初夏:奄美大島での観察&採集旅行⓪)概要:奄美大島&加計呂麻島へ旅行に行ってきました~アマミシリケンイモリと熱帯産のコオロギと癒しを求めて5泊6日の旅へ~
昨日まで、奄美大島へ「アマミシリケンイモリ(綺麗な柄の子を繁殖させたい!)」と「熱帯産のコオロギ(養殖したい!)」と「癒し(これが一番大事!!)」を求めて5泊6日の旅へ行ってきました。 コオロギは初日に公園で「タイワンエンマコオロギ」っぽい...

知人の旦那さんに連れられてやって来たのは――↓のようなアダンの木が生える某公園。

タイミングが良いときには、キノボリトカゲが葉っぱの上で休んでいることも多いそうです。

植樹されている木々の間を、落ち葉を踏みながら歩いていると――早速、オオシマトカゲを発見! でも、警戒心が強いのか2メートル以内には近づけないことが多く、近づけても「本土のトカゲのように素通りするふりして手づかみする作戦」が効きません(笑)

4匹程捕まえるのを失敗してから、「島のトカゲの警戒心は本土のぬるま湯に浸かったトカゲとは違う!!」と感じ、「釣り竿で釣るしかない」と認識されました。(実際、3日目にバッタを餌にしたらなんとか数匹は喰いつき、1匹は捕獲できました。でも、喰いつかせても「軽く咥えて巣穴に戻ろうとする」ため釣りあげようとしてもほぼ逃げられるので、要改善です)

なお、↓は3日目に捕獲できた子。ペアが揃わなかったので、お持ち帰りは無し。

なお、オオシマトカゲは本土のニホントカゲと比べると、より大きく育ちます。↑の写真の子も、重量感がある立派な子でした。次回こそは、ペアで飼育できるように「トカゲ釣りの腕」をあげておこうと思います(笑)

ちなみに、オオシマトカゲは↓のような日の当たる場所の近くで「すぐに身を隠せる障害物がある」場所に見られました。

なお、手ぶらで帰るのが何となく嫌だったので……狙いを「ヤモリ」に切り替えます。

本土でもヤモリが昼間に隠れている場所――コンクリートの護岸工事されている場所(要するに段差の壁)にある、「水抜き穴」や「植物の根元」――を探します。

その結果、↓のようにホオグロヤモリのチビ達を数匹、捕まえることが出来ました。

↓帰宅してからも撮影。体色に個体差がありますが、シッポにトゲトゲがあるのでホオグロヤモリちゃんです。

↓こちらは、知人が事前に「家に居た」と言って捕まえてくれていた子。この子は白っぽくて模様が無い子です。

――ということで、2日目の爬虫類探しはなんとか「お土産」をゲットできました。奄美や沖縄、台湾や東南アジアなどでも普通に生息している「レアじゃない子」ですが、自分で捕まえた南方系のヤモリちゃんなので、大切に飼育していきたいと思います♪

それでは、また次回の記事でお会いしましょう♪

 

~余談:持ち帰った後に鹿児島市の自宅にて~

鹿児島市の自宅に持ち帰った後、活餌のコオロギを与えると全部の子が元気に食べてくれました。このまますくすくと育って欲しいです。

なお、採集の時に「野生のヤモリ相手の力加減が分からずに、皮膚がべろりと剥がれてしまった子が1匹(尻尾を自切して逃げるように、ヤモリは外敵に体を押さえつけられると皮膚を剥がして逃げるのですが、1匹目に採集した子は想像以上に弱い力でも皮膚がはがれてしまいました)」いるのですが、今も元気に育っています。

↓の写真の上の子なのですが、「皮膚がはがれてすぐに死んでしまうだろうなぁ……責任を取って持って帰って、活餌を与えて養生させよう」と、ダメ元だけれど可哀想だしと考えて持ち帰りしましたら――「鹿児島市の自宅に帰るまでの数日で剥がれてずれた皮膚が身にくっつく⇒半分脱皮したように、剥がれた部分が白くなっている(下から新しい皮膚が出来ている模様)」――と、他の元気な子達と同様に餌を食べて元気にしてくれています。

野生の中でも、外敵から逃げた後で、すぐにまた皮膚が再生しているのだろうなぁと、生き物の生命力を感じられました。今後も、大切に育てて可愛がっていきたいと思います。