(イモリの餌:上陸したて~上陸中の子イモリ用)ウィングレスのキイロショウジョウバエ&フライトレスのトリニドショウジョウバエの試験養殖

徳留アクア工房では、イモリの餌(上陸したて~上陸中の子イモリ用)の試験養殖として「ウィングレスのキイロショウジョウバエ(上の瓶)」&「フライトレスのトリニドショウジョウバエ(下の瓶)」の養殖実験を行っています。

ウィングレス=羽がない個体、フライトレス=羽があるけれど飛べない個体――になります。

なお、キイロショウジョウバエは小さいので、上陸したての子イモリ。特に、初令コオロギの代替として使えますし、コオロギを食べない子にも使えます。

また、トリニドショウジョウバエは、ショウジョウバエより体感で4倍くらい大きいので、子イモリにとってもボリュームのある餌になります。

それぞれ、「成長速度=繁殖速度が速い(あるいは遅い)」「低温や高温に強い(あるいは弱い)」「性成熟が早い=安定して殖やせる」などのメリットデメリットがあります。

なお、↓のような子達から産まれるチビイモリの餌にします。

ショウジョウバエ養殖の為の培地とコストについて(バナナ培地の活用実験)

なお、活餌として「飛べないショウジョウバエ」は魅力的な餌なのですが、インターネット上で多く見られる、「①寒天を使った培地」「②マッシュポテトなどを使った培地(水を加水するだけで利用できる)」などには、正直デメリットもあります。

・培地を作る手間
・カビ防止の殺菌の手間
・実験用などの大量飼育には向くが、小さなロットで管理するとなると餌づくりがめんどくさい
・加水するエサは値段が正直高い

――などです。なるべく、元気なショウジョウバエを「そこそこのコストで、そこそこの手間で、それなりに健康に、それなりに継続して累代飼育できて、それなりに美味しくペットに食べてもらって、それなりに栄養がある」という状態に出来ないかな?と考えて、調べた結果「バナナ培地」なるものがあるとのこと。(1997年頃に論文が出ているらしいのですが、その論文自体の中身は短時間では見つけ切れませんでした)

なので、他のインターネット上の情報などを参考に「バナナ培地を使ったキイロショウジョウバエ&トリニドショウジョウバエの養殖」を実験することにしました。

・容器や餌の殺菌なし
・ハエ以外は100円代で基本的に手に入る素材で機材を賄う
・最初にセットする時間もなるべくかけない
・一度セットしたら、安定的に累代ができる
・ヒーターの入った水槽の上などで、安定して殖やせる

――という「小学生でも、未経験者でも、手軽にショウジョウバエを増やせたらいいなぁ」という視点で行っています。そして、取りあえずセットできたのが↓の様子。

(トリニドショウジョウバエ)

ひとまず、「スーパーで買ってきたバナナ(徳留で輪切りにしたもの)」「やしガラ(やしガラを入れた時に、カビるのか?の実験)」「備長炭(吸湿や臭い取りに使いたいが、ハエに悪影響が無いかの確認用)」をセットしました。

(キイロショウジョウバエ)

こちらは、やしガラが入っていませんが、他は同じ条件です。

ひとまず、この状態で今の季節に増えてくれる(卵~成虫に出来る)のなら、冬場も「ヒーターの入った水槽の上」あたりで誰でも養殖が出来そうです。それが難しい場合には、「パネルヒーター」「部屋ごとエアコン管理」なども視野に入ってきます。

なお、ショウジョウバエは高温にさらされるとオスが不妊化するので、夏場の管理がちょっと面倒だったりもします。(イモリ飼育者なら夏場にエアコン管理をすれば、安心です)ショウジョウバエの適温が18~25度と言われていますので、これからの結果が楽しみでもあります。今後も、定期的に実験の様子や結果を報告したいと思います。

来年の春~夏のチビイモリ達の餌になるよう、色々と試していきたいと思います。(そして、徳留アクア工房で販売したいなと♪)

――ということで、また次回の記事でお会いしましょう♪