2023年秋の奄美旅行のレポートの第3弾。今回は「渓流の植物&公園等での爬虫類の採集1日目_後半」ということで、某公園や古仁屋の町にて、爬虫類の観察や採集の様子を報告します。
奄美の爬虫類の生息環境を知ることで、繁殖や適正飼育に活かしてもらえたらと思います。
★
なお徳留アクア工房の徳留は、法律とマナーを守って、野生動物とペットのより良い未来を実現するために行動をおこなっております。
もし「奄美大島の生物の採集はとんでもない!」と思われる方がいらっしゃいましたら、↓は過去記事ですが、「奄美大島の生物観察や採集」につきまして、私の考えや理念、法律の解釈などを記載しておりますので、ご一読下さい。
★
1日目の前半は渓流に行きましたが、遅めのお昼ご飯を食べた後は場所を移動して……アオカナヘビの採集にチャレンジします。
奄美大島では、生き物の採集が規制されている保護区がとても多いので、「採集しても法律違反にならない場所」を見つける必要があります。
また、今のご時世では「乱獲」「大量採取」「転売」などは、マナー違反ですし炎上したりも怖いです。
採集する際には「良識を持って、後ろめたくない範囲で、ハブに噛まれない範囲で(罰が当たらない範囲)」が大切だと私は考えています。欲張っても良いことはありません、何匹か捕まえた中からピンとくる子を選んで持って帰るのが一番です。
――ということで、今回採集できたアオカナヘビちゃんがこちら↓
アオカナヘビは「全身緑色の子=雌」「茶色もしくは緑色に茶色の線が入る子=雄」と言われています。
ただ、今回採集や観察ができた子達は生まれて1~2年だろうなぁという小さめの子達だったので、色の変化が完全には出ていないようでした。
↓採集直後のキープ時の様子ですが、警戒していることも有って茶色が強いですね。
ちなみに、この公園では「崖の近く」にアオカナヘビは生息しているようでした。
今回の奄美旅行では何か所かポイントを移動しながらアオカナヘビを探してみたのですが――実際、午前中~14時頃に太陽光が当たる(=バスキングが出来る)場所で、餌となるバッタやコオロギの幼虫が潜む草むらにて、トカゲ類は採集することができました。
とはいえ、アオカナヘビ、オオシマトカゲ、ヘリグロヒメトカゲでは、好む場所が違うのだなぁ……とはっきり感じることもできました。
例えば、オオシマトカゲは警戒心が強くて「逃げ込める隙間や巣穴がある、日当たりのいい場所」が好み。ヘリグロヒメトカゲは「落ち葉が多い崖の近く」が好み。バーバートカゲは渓流沿いの倒木の上など「森の中の緑が多い場所」が好み。キノボリトカゲは「風通しのいい場所や木の幹や枝の上」が好み。
――と、棲み分けがされているようでした。
また、トカゲ類が多い場所には↓のように蛇もよく見られます。(写真は水路にいたガラスヒバア。小さくて細い蛇ですが、強力な毒を持ちますので、悪戯すると死ぬ目に遭いかねません)
1日目は、オオシマトカゲやヘリグロヒメトカゲなどは見ることが出来たのですが、動きが素早くて捕まえることが出来なかったので写真は無し……。
時間も良い時間になったので、いったん部屋に帰って――体力回復の為に休憩して――↓のように古仁屋の港で海水魚を見てみたりして(オヤビッチャのような縞模様の小魚やルリスズメダイなどに混ざって、ヤガラやネンブツダイのような魚が見られました)――
――夕食を食べて――夜の古仁屋の街に「遊び」に行きます。とはいえ、私の夜遊びは「奄美大島のヤモリ探し」です(笑)
古仁屋の街中を歩いて、街灯や自動販売機の周辺をよく見ると……大きな子から小さな子まで、ヤモリが張り付いているのが観察できました。
住宅地でも↓のような街灯に2~3匹ずつ集まっています。(あと、薄暗い所には大きなGがたくさんへばりついている場所も有って、ちょっとトラウマになりかけることも……)
ちなみに、↓は別の日に捕まえられたヤモリちゃん。ホオグロヤモリと思われる「尻尾にトゲトゲ」がある子達です。
奄美大島にはこの子達の他に「オンナダケヤモリ」「ミナミヤモリ」が生息しているとのこと。採集は出来ませんでしたが、ミナミヤモリらしき「ガラ模様がはっきりした綺麗なヤモリ」は山沿いの住宅街の街灯などで見ることができました。
――ということで、『2023年秋の奄美旅行:渓流の植物&公園等での爬虫類の採集1日目_後半』はこれで終了です。2日目の観察&採集レポートに続きます。
(2日目は、午前中は渓流の1日目よりもさらに上流に進みました。午後はオオシマトカゲを狙って、海岸近くの公園に繰り出すも!?というレポートの予定です)