水草水槽の豆知識~二酸化炭素の添加機材が無くても、元気に育てられる水草~

水草水槽の豆知識として「二酸化炭素の添加機材が無くても、元気に育てられる水草」を紹介したいと思います。LEDライトが不要な水草や、冬場でも室内であれば越冬できる(鹿児島市の場合ですが)水草も少なくありません。

水草の流通名と特徴を箇条書きにして行きますので、気になる水草がありましたら、ぜひWEB検索で画像を探してみて下さい。

二酸化炭素の添加が要らない水草(★は育成難易度。少ないほど簡単)

・ロタラ(インディカ、ロトンディフォリア、グリーン):★★:緑~赤系の葉っぱが細かく付く水草。状態が良いと水槽の水面を覆うくらい長く育ちます。冬場でも室内であれば無加温で越冬できます。ロタラの仲間は、やや強めの光を好みますので水草用のLEDライトをつけてあげると良いです。

・ウイローモス:★:苔の仲間。耐陰性&耐寒性があるので、LEDライトが無くても育ちます。また冬場でも室内なら無加温で枯れないので、イモリ水槽などでも重宝します。成長が遅いので、黒ひげコケが葉っぱに生えやすいため、水替えを多めにするなど水質を綺麗に維持してあげて下さい。

・南米ウイローモス(あるいはジャイアント南米ウイローモス):★:苔の仲間。こちらも耐陰性&耐寒性があるので、LEDライトが無くても育ちます。葉っぱが大きく、明るい環境では三角形になるので、見栄え的にもおすすめです。

 

・ミクロソリウム:★:シダの仲間。こちらも耐陰性&耐寒性があるので、LEDライトが無くても育ちます。また冬場でも室内なら無加温で枯れないので、イモリ水槽などでも重宝します。成長が遅いので、黒ひげコケが葉っぱに生えやすいため、水替えを多めにするなど水質を綺麗に維持してあげて下さい。

・ミクロソリウムの仲間(ナローリーフ、ウェンディロブなど):★★:ミクロソリウムよりも癖がありますが、耐陰性&耐寒性があるので、水景に変化を付けたい時に重宝します。

・ボルビティス:★★:ミクロソリウムよりも癖がありますが、こちらも耐陰性&耐寒性があり、葉っぱが細かくなるので、水景に変化を付けたい時に重宝します。

・クリプトコリネ(ウェンティー):★★:サトイモ系の水草。水草用のLEDライトをつけていると、ゆっくりと成長するので、前景に向いている水草です。植え替えを嫌う水草なので、底砂掃除などの時にちょっと気を使います。

・アヌビアス(ナナ、プチ、バルテリー):★:サトイモ系の水草。こちらも耐陰性&耐寒性があるので、LEDライトが無くても育ちます。また冬場でも室内なら無加温で枯れないので、イモリ水槽などでも重宝します。成長がミクロソリウムよりも遅いので、黒ひげコケが葉っぱに生えやすいです。水替えをより多めにするなど、水質を綺麗に維持してあげて下さい。

・アナカリス:★:理科の教材で「オオカナダモ」として紹介されることもある水草。こちらも耐陰性&耐寒性があるので、LEDライトが無くても育ちます。また冬場に屋外で枯れない丈夫な水草なので、日本全国の河川で帰化してしまい、問題になっています。成長が早いので、水草レイアウト水槽では持て余してしまいがちですが、色々な生き物の産卵床として繁殖時に重宝します。

・マツモ:★:日本でも昔から水辺にある、水に浮かぶ水草。比較的耐寒性があるので、光さえ十分に当てていれば、冬場に屋内で枯れない丈夫な水草です。成長が早いので、水草レイアウト水槽では持て余してしまいがちですが、色々な生き物の産卵床として繁殖時に重宝します。

・ウォータスプライト(あるいはアメリカンスプライト):★★:葉っぱに切れ込みが入る、シダの仲間。水草用のLEDライトをつけていると、水に浮かべるだけでも増えていくので、グッピーの産卵床として昔から使われていました。状態が良いと巨大化して、子株をたくさんつけて水槽の水面を覆うくらい育ちます。

・バリスネリア(ナナ、スクリュー、ジャイアントなど):★★★:緑系のテープのような姿が涼し気な水草。やや強めの光と冬場でも10度以上の水温が必要ですが、状態が良いと水槽の水面を覆うくらい長く育ちます。水草用のLEDライトをつけて、底砂に根っこをしっかり張ってくれるとランナー(子株)を出して増えてくれます。

 

・ハイグロフィラ(ポリスペルマ、 ロザエネルビス):★★~★★★:緑やピンク系の葉っぱが付く水草。状態が良いと水槽の水面を覆うくらい長く育ちます。冬場でも15度程度の水温があれば越冬できます。やや強めの光を好みますので水草用のLEDライトをつけてあげると良いです。株が育って底砂の肥料や鉄分が不足すると、徐々に下葉が落ちていきます。切り戻しで株を更新したり、水草用肥料を添加することで元気に育ってくれますが……個人的には、ちょっと癖のある水草だと感じています。

・ルドウィジア(グリーン、レッド):★★★~★★★★:緑や赤茶色系の葉っぱが付く水草。ハイグロフィラよりも固めの葉っぱが付きます。状態が良いと水槽の水面を覆うくらい長く育ちますが、二酸化炭素の添加が無い状態ではゆっくりと育ちます。冬場でも15度程度の水温があれば越冬できます。強めの光を好みますので水草用のLEDライトをつけてあげると良いです。株が育って底砂の肥料や鉄分が不足すると、こちらも徐々に下葉が落ちていきます。切り戻しで株を更新したり、水草用肥料を添加することで元気に育ってくれますが……個人的には、こちらも癖のある水草だと感じています。

・オーストラリアンクローバー:★★★:キノコのような緑系の小さな葉っぱを付ける、匍匐する水草。やや強めの光と冬場でも5度以上の水温が必要です。底砂に根っこをしっかり張ると、葉っぱをどんどん出して増えてくれます。

・パールグラス:★★★:緑系の細かい葉っぱが付く水草。しっかり底砂に根付いて状態が良いと、水槽の水面を覆うくらい長く育ちます。冬場の屋外でも無加温で越冬できますので、切れ端などでも外に捨ててはいけません。やや強めの光を好みますので水草用のLEDライトをつけてあげると良いです。

 

水草を元気に育てるには、光と温度も大切です。(LEDライト&冬はヒータがおススメ)

ここまで、二酸化炭素の添加が無くても元気に育つ水草を紹介しましたが、水草の育成には「光」や「温度」も大切です。

器材の選び方を紹介していきたいと思います。

温度管理は、水槽用のヒーターがおすすめ

温度の管理は「水槽用ヒーター」を使うことで、簡単かつ安全に温度管理が出来ます。

なお、水槽のサイズに合ったワット数のヒータを選んで(パッケージに適合水槽サイズや水量が書いてある)下さい。大きすぎると水槽の水温差が大きくなりますし、小さすぎると水槽を温めきれなくて(ヒーターの稼働時間が長くなり)故障の原因となりやすいです。

また、水槽の本数が多くなると「エアコンで部屋ごと保温する」ことの方が、電気代が安くなることも多いです。私も水槽部屋や簡易温室を作って、電気代節約(エコの為にも)を心掛けるようにしています。

 

水槽用LEDライトの種類と選び方

一方、「水槽用のLEDライト」は色々な種類や用途がありますので、初めての人は「どれを選べばいいのかな?」と感じると思います。

下に、一般的なライト一覧を出しましたので、参考にしてみて下さい。

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①熱帯魚用LEDライト:60㎝水槽用でも2000円~5000円程と比較的安価な製品が多い「魚の飼育を目的」として作られたライトです。昼と夜のメリハリを生き物につけてあげることが出来るので、室内での生き物飼育全般に活用できます。

②水草育成用LEDライト:60㎝水槽用で6000円~数万円と比較的高価な製品が多い「水草の光合成を目的」として作られたライトです。値段の違いが大きいですが、高級な製品は高いだけの効果があるのも事実です。個人的には「二酸化炭素の添加をしない水槽=6000円程度の製品」、「二酸化炭素の添加をする水槽=6000円程度のライトを2本以上つける、もしくは2万円程度のライドを使用する」というように使い分けています。

③植物育成用LEDライト:番外編ですが、陸上の植物を育成するLEDライトを流用することも「できなくはない」です。ただ、光の指向性が水槽用とは違うので「スポットライト的な使い方」の時に使えます。例えば、「植え替え直後の一部の水草だけ育てたい」、「特定の水草の色味を濃くしたい」という時に有効です。

④海水魚用やサンゴ用ライト:こちらも番外編ですが、海水魚用のライトもあります。サンゴの育成に欠かせない光を出してくれますが、水草育成にはちょっとちがう……というのが私の感想です。値段も結構高い製品が多いので、あえて水草のために海水魚用のライトは購入しない方が良いです。

⑤一般住宅用(人間用)LEDライト:一般住宅用のライトは安価で普及していますが、水草の育成には向きません。光合成に必要な光をほぼ出していないからです。熱帯魚用のLEDライトの代わりには使えなくないですが「耐水性・防水性・防さび」などの機能が劣りますし、同じ値段で水槽用ライトを購入した方が見た目もすっきりしますので、あえて一般住宅用のライトは使用しなくてもいいかと思います。

⑥水槽用の蛍光灯:15年ほど前までは、水槽用のライトは「蛍光灯」があたり前だったと思います。今でも蛍光灯で水草を育てることは出来ますが、「電気代が10倍くらい違う」ことを考えると、あえて蛍光灯を使う理由は無いかなと思います。せっかくの水草や熱帯魚の趣味ですから、なるべくエコも意識して楽しみたいですし。

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個人的には、「初めて水槽用のLEDライトを購入する時は『GEX クリアLEDパワーⅢ』がおススメ」と考えています。これ1本があれば、熱帯魚も二酸化炭素の添加が不要な水草も元気に育成することが出来ます。

最新の製品は「Ⅳ」も出ているのですが、「Ⅲ」ならばタイミング次第で6000円~8000円前後(60センチ水槽用)で購入することができます。30センチ水槽用や90㎝水槽用なども販売されていますので、お手持ちの水槽サイズに合わせて購入されて下さい。

なお、我が家でも「8割以上の水槽で使用しているLEDライト」になります。

 

まとめ:二酸化炭素の添加機材が無くても、元気に育てられる水草

今回は、二酸化炭素の添加機材が無くても、元気に育てられる水草について紹介していきました。

丈夫な水草も多いですが、光と温度に気をつければ、さらに多くの水草を楽しめます。特に、状態が良い時の「ロタラ」「ミクロソリウム」「ジャイアント南米ウイローモス」は見た目にも迫力があって、個人的にも大好きです。流木や石などと組み合わせることで、より魅力を広げることもできますし。

――ということで、ぜひお気に入りの水草を見つけて、生き物の飼育と一緒に楽しまれて下さい。それでは、また次回の記事でお会いしましょう♪