2023年は奄美大島産の「スジブトヒラタクワガタ」の繁殖にチャレンジします♪

奄美大島のシリケンイモリが好きな私ですが、奄美大島のクワガタも好きだったりします♪

その中でも、特に大好きなのが「スジブトヒラタクワガタ」です!

本土にいる普通のヒラタクワガタや奄美大島のヒラタクワガタと比べると、スジブトヒラタクワガタは名前の通り「背中(腹の背中側)」に太いスジが入るので見分けることができます。この、スジがカッコいいのです!!

ということで写真をパシャリ↓としたものを載せます。

オスよりもメスが綺麗にスジが入る個体が多いです。

もちろん、オスにもスジが入ります♪

↓は同じスジブトヒラタクワガタのオスですが、小さい個体なので別種にも見えます。

クワガタのオスは「大歯(だいし)」・「中歯(ちゅうし)」・「小歯(しょうし)」などのように体のサイズによって大あごのサイズや形が変わってくる種類が多いです。

このような魅力的な奄美のクワガタ。

繁殖させることで、「自然への採集圧も下げらる&奄美の魅力を伝える&奄美の自然を大切にする意識や興味関心を持てるきっかけになる」――ということも期待したりしています。また、自然や生き物でご飯を食べさせてもらっている私は、売上を奄美や鹿児島の自然&日本と世界の自然に還元することも大切だと思っています。

自然保護には「お金も人手も時間もかかる」のが現実です。持続可能な開発目標(SDGs)が話題になりますが、『持続可能な自然保護活動や社会貢献も大切だよね』と私は思うのです♪

――と、ちょっと真面目な話になりましたが。ここからはスジブトヒラタクワガタの繁殖について紹介したいと思います!!

 

スジブトヒラタクワガタの繁殖のためのセット方法

用意するのは、一般的なクワガタの繁殖セットとほぼ変わりません。

・中型程度のプラケース
・産卵木
・クワガタ繁殖用土
・転倒防止の枝もしくは落ち葉
・昆虫ゼリー
+)
・画鋲で穴をあけた新聞紙(乾燥防止。コバエ防止シートでも可)
※乾燥防止のは、小まめに水分補給できるなら不要です。通気性が良い方がクワガタに良い場合もありますので、使用する場合はメンテナンスに時間がかけられるかで判断ください。

☆使用するものでの注意点
・産卵木はコナラがおすすめ。虫が産卵しやすくするために、1時間~半日程度、水につけてから使用してください。
・用土は「底の方:完熟したクワガタ向けの発酵マット」「上の方:クヌギ粉砕マットなど(発酵マットじゃなくてOK)」を使うのがおススメです。
・昆虫ゼリーは「タンパク質が入っているモノ=繁殖用をうたう商品」がおススメです。タンパク質が足りないと、卵を産むために雌が雄を襲って喰い殺すことがあります。

発酵マットは商品によっては「1~3日程度、新聞紙などに広げて陰干しする=発酵を止める」ことが必要です。商品の匂いで判断して「土のような匂い=そのまま使ってOK」「甘いような、アルコールのような匂いがする=数日の陰干し必須」と使い分けて下さい。

セッティング①前日までの準備

・産卵木を水に1時間~半日程度つけて、柔らかくする。

・発酵マットの発酵を止める。

セッティング②プラケースに入れていく

・発酵マットをプラケースの底に8㎝程度キツめに積めていく。(産卵の場所にもなりますので、プラケースが割れないように気をつけながらも、固く締めて下さい)

・産卵木を発酵マットの上に置き、木を生めるように粉砕マットを敷いていく。

場合によっては「産卵木の外皮を剥ぐ」方法もあります。産卵しやすくなったり、外皮にダニやトビムシが発生するのを防ぐことが出来るからです。……私は、あまり気にしない&トビムシは子イモリの餌にするので外皮を残しました。

↓積め終わったら、このような感じに。

・昆虫ゼリーを入れて、転倒防止の落ち葉を広げる。

自然界の中なら良いのですが、プラケースの用土の上に何もない状態は「転倒したときに、起き上がる足がかりが無い状態」です。そのまま体力を消耗して死んでしまう個体もいますので、転倒してもすぐに起き上がれるような足がかりを入れてあげます。

私の感覚では、小さな木の枝でも落ち葉でも、お好みで大丈夫なようです。但し、農薬や排気ガスが掛かっていないものであることが大切です!農薬が掛かった場所の落ち葉は、あっさりと虫が死ぬこともありますので……「お店で買う」「農薬の心配のない山を持っている知人からもらう(私の場合はこれ。薩摩川内市の母の知人から大量に貰っています)」「(自己責任や良識の範囲になりますが)昆虫採集した場所の落ち葉を少し貰ってくる」という方法が有効かなと思います。

・ヒラタクワガタを入れる

ケース内に雄雌を入れていきます。なお、雄が雌を大あごで挟んで殺してしまうのを予防するために、ちょっと不自由そうですが「雄の大あごを仮固定=雌を挟めなく」します。ちなみに雄は1週間程度(交尾が確実に終わった後)で外に出しますので、その時に固定も外してあげます。(1週間がかわいそうだなぁと思う方は、仮固定した状態で人の手で交尾をサポートして、落ち着いたらすぐに仮固定を外してあげる方法もあります)

・蓋を閉めて、スジブトヒラタクワガタの繁殖セットのセッティングは完了です♪

室内の比較的涼しい場所(30度を超えない場所)に置いてあげましょう♪

セッティング③日々の管理

日々の管理では次の点に気をつけます。

・乾燥しすぎないようにする:クワガタやカブトムシにとって、乾燥=脱水症状で死亡する可能性が高いです。適度に霧吹きをしたり、コバエ防止シートや穴をあけた新聞紙などで保湿して下さい。

・室温が34度を超える場所には置かない:人が熱中症になるような環境は、クワガタも熱中症になります。日中はクーラーが入っている場所や風通しのいい場所などに置いてあげて下さい。ただし、クーラーは「乾燥しやすい」「23度以下は寒すぎる」などの弊害もありますので、置き場所を調整してあげて下さい。

・餌切れにならないようする:クワガタの餌切れ=共食いや喧嘩の原因になります。特に、卵を抱えた雌にタンパク質が足りないと、雄を襲うことがしばしばあります。メスは小さな顎ですが……油断しているとやられてしまって、「大きな雄だったのに……」と泣くことになります。餌切れには特に注意してあげて下さい。

 

余談:7/22に「クワガタ探し講座」を鹿児島市立少年自然の家で行います♪

余談ですが、2023年7月22日土曜日の午後13:30~16時予定で、鹿児島市立少年自然の家とその周辺の雑木林で「夏休みクワガタ探し講座」を行います。

実際に少年自然の家とその周辺の雑木林を巡りながら――
・クワガタが寄ってくる木の見分け方(クヌギ・コナラなど)
・樹液が出やすい木が生える環境(どんな環境なら樹液が出る?)
・樹液が出るために必要な生き物(ボクトウガという蛾について)
・自分の家の周辺でクワガタを見つけるコツ
・クワガタやカブトムシの基本的な飼い方と繁殖方法 など
――について学べる講座です♪

現時点で申し込みはほぼいっぱいになっているのですが、定員になっても「追加で6名以上集まったら、別日にも開催したら楽しいかな」とも考えています。

実際に雑木林を巡りながら、写真を撮って、自分で感じたことをまとめたら「夏休みの自由研究も完成」しますので、ぜひぜびご検討ください♪

その他、苔玉体験講座や生き物観察会、夏休みの自由研究を1週間で終わらせる作戦講座なども夏に行います。ぜひ、お時間のある時に↓の記事も見てみて下さい♪

2023年夏の徳留アクア工房の苔玉講座やイベントの予定表(先着順で申し込みを受け付けています♪)
2023年の夏の徳留アクア工房の苔玉講座や夏休みの生物観察イベントの予定表です。 6月27日現在、各講座とも受付をしておりますので、ご興味がある企画がありましたらぜひ080-3963-2319(徳留アクア工房・徳留)までお電話下さい。 ちな...

 

まとめ:奄美大島のスジブトヒラタクワガタの繁殖、頑張ってみます♪

このように今回は「奄美大島のスジブトヒラタクワガタの繁殖」について紹介してきました。インターネットでは繁殖させたスジブトヒラタクワガタもペアで数千円で売っていますが、私も好きな種類のクワガタなので「まずは趣味で繁殖」を楽しみたいと思います。

ちなみに、こちらのスジブトヒラタクワガタ。天然物の大型のオスなのでちょっと貴重です。大切に飼育したいと思います♪

それでは、また次回の記事でお会いしましょう♪