徳留アクア工房では、ペットの不法投棄防止やリユースやリサイクルの促進のために、「魚類や両生類、爬虫類などのペットの無料引取り」や「水槽や飼育器材の無料引取り」などのボランティア活動をしています。
今回は、先日クサガメちゃんを熊本市の方からお引き取りした際に、元の飼い主さんから「新しい飼い主さんの所に行ったら、写真をホームページに載せて欲しい」とご依頼を頂きましたので、ちょっとお時間がかかってしまいましたが「引取り~梱包&発送~新しい飼い主さんの所での様子」についてご報告したいと思います。
まず、今回お引き取りしましたのは、大切に飼育されていたクサガメちゃん。甲羅の大きさが30センチくらいありそうな、とてもとても大きな子です。↑の写真のクーラーボックスは横幅が70センチくらいある大型のものですが、それが小さく感じます。
なお、この子は毎年、無精卵ですが卵を産んでいるとのこと。そのことを新しい飼い主さんにお伝えしたら、お婿さんを用意したいとのことでした。
大きな亀の梱包と「ゆうパック」での発送方法
今回のクサガメちゃんは、(お引き取りする前に次の飼い主さんを探していていたので)引き取りの翌朝に「ゆうパック」で発送します。
発泡スチロール箱にいれて、普通の荷物と同じ常温で運んでもらいます。ただ、亀などは爪が鋭いので「発泡スチロール箱に入れる前に、別の容器で養生する」必要があります。
――ということで、大きな発泡スチロール箱とは別に、↓のように100円ショップでかごをゲットしてきました。
亀が入るサイズのカゴを組み合わせて、亀が中で動いても外れないように、園芸用の針金で留めます。
そして、緩衝材兼保湿剤として、↓湿らせたクヌギの落ち葉を入れました。(湿らせたミズゴケとかが一般的ですが、今回は手元に無かったので無農薬のクヌギの落ち葉で代用)
そっと亀を入れてから、蓋を閉じます。
なお、亀を持つ時には↑のように「後ろ足の付け根~尻尾の周囲」を持つようにすると、亀に噛まれる危険性がありません。クサガメはおとなしい子が多いのですが、大型の亀に噛まれると指が飛びますので、用心するにこしたことはありません。
なお、私がウナギ釣りでよく見かける野生のスッポンは、本当に注意して持たないと大怪我をします。
例えば、甲羅の長さ30センチ越え=首の太さが私の手首くらいあるスッポンとかも、年に数回釣れたりしますが……下手な握り方で「ごりっ」とやられたら、指の1~2本くらい軽く持っていかれると思います。(スッポン釣りをするときには気をつけて下さいね?)
――と、話が反れましたが、↓のように亀を入れたカゴをしっかりと園芸用のワイヤーで留めます。こうすることで、発泡スチロール箱を保護します。
かごに入れた状態で、発泡スチロール箱に「新聞紙で包んだ保冷剤」と一緒に入れます。新聞紙で包んだ保冷剤を入れることで、じんわりと冷やしてくれるので残暑の時期(送ったのは9月末頃)でも安心です。
続きまして、元の飼い主さんが「よく食べていた餌です」と渡して下さった餌を梱包します。
発泡スチロール箱の中に入れると、水濡れしたら嫌なので発泡スチロール箱の外にガムテープで固定しました。↓の状態で、しっかり固定されている&外れないことを確認してから、近所の郵便局より発送します!
なお、生き物の輸送は「ゆうパック」で日本全国に送れるのですが、元気に届けるためにはいくつかコツがあります。
例えば、次のような感じです。
①気温と湿度に配慮する:夏場や冬場の温度管理は大切です。発泡スチロール箱に保冷剤やホッカイロなどを入れて、調整します。
②空気穴をあける:生き物によって箱や容器に空気穴を空ける調整をします。今回は大きな亀だったので、カゴ+発泡スチロール箱の側面と上部に穴を空けて、少しだけ空気が通るようにしました。
③営業所止めも使う:ゆうパックや宅配便では、荷物を「営業所で受け取れるサービス」があります。自宅に届けてくれることは便利ですが、夏場の炎天下の輸送車の中や冬場の輸送車の中は、生き物にとって温度変化が厳しいです。それを営業所止めにすることで生体へのダメージを最小限にすることができます。(夏場や冬場に、保温が必要な生き物の輸送では、必須とも言えます)
――などなど。
生き物によって輸送のコツ(水分の有無、まとめて送れるor喧嘩するから個別じゃないとダメ、体が動くスペースがあった方が良いのかない方が良いのかなど)は変わってきます。
☆
そして、新しい飼い主さんの所に元気に届いたクサガメちゃんがこちら↓ (水槽掃除の時に、お部屋の中を自由に歩かせている時の様子。動画で送っていただきました)
亀を飼育した経験がほとんどない私としては、「おお、部屋の中を歩いてる!?」と、ちょっとびっくりしましたが、別の知人曰く水槽での飼育だけでなくて時々「甲羅干し」や「運動」させるのも亀の健康に良いようです。
(ただし、「炎天下のベランダなどは亀が熱中症になって危険」とのことで、上手な亀の日光浴には「最低限の知識は必要」とのことでした。私もトカゲの日光浴では、生息地に合わせて探り探りなところがありますので、事前に調べられる情報を調べる事+経験値+下地になる生き物の知識って本当に大事だと思います)
ちなみに、新しい飼い主さんいわく、クサガメの繁殖にチャレンジしてみたいとのことでしたので、新しい飼い主さんの所でも大切に元気に飼育されているようです。(いただいたご飯もありがとうございますとのことでした)
まとめ:大きな亀を輸送する時には、100均のカゴが大活躍です!
今回の記事では、お引き取りしてきた亀ちゃんを、新しい飼い主さんのところで輸送する方法について紹介と報告をしました。大型魚や肉食魚などもそうですが、大きくなればなるほど「輸送が難しくなる」のが生き物です。
徳留アクア工房のもとにせっかくやって来た子達なので、しっかりと元気で次の飼い主さんの所に引渡しをしたいと、いつも心掛けています。
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・輸送に弱い子は「トリートメント」して体力をつけさせて。
・大型魚や大きな亀などは「事前に貰い先を決めてから引取り、すぐに発送する」ことで、生体の体力消耗を最小限にしつつ「徳留アクア工房に飼育スペースがないから引き取れない」という事例をなるべくなくして。
・めだかやグッピーといった安価な小魚や大量に引き取った子達でも、「生き餌にはしないで欲しい人に譲る」ことを大前提として。
・綺麗な子や特徴的な子がいたら、右から左に繋ぐだけでなくて「徳留アクア工房の養殖部屋で繁殖にチャレンジ」してみたり。(エンゼルフィッシュ、国産グッピー、クマノミ、水草、オキナワシリケンイモリ、プレコ、メダカなどが引取りからやって来ました)
・また、かごしま水槽会の参加者や徳留アクア工房の講座参加者で「〇〇を飼育したい」「熱帯魚用に器材が欲しい」という方には、無償や廉価でお譲りしたり、飼育相談に乗ったりもします。
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ちなみにこれからも、「鹿児島や南九州で魚類、爬虫類、虫類、両生類などと飼育器材の引取り」を続けて行けるように、頑張って行きたいと思います。
人生は色々な変化が有って、思いもしなかった理由でペットの飼育を続けられなくなることもあり得ます。そんな時に、可愛がっていた子や不要になった飼育器材を「可愛がってくれる新しい飼い主さん」「喜んで使ってくれる愛好家」に繋ぐのが、徳留アクア工房の役割かなと思っています。
(でも、そのためには徳留アクア工房も早めに法人化しないとですね。個人事業主+アルバイトさんでは、私に何かあった時に生き物達に迷惑をかけてしまいますから。NPO法人化もしくは株式会社化などを、検討しています)
――ということで。今回は大きなクサガメちゃんの引取りと引渡しの報告でした。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう♪
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徳留アクア工房では、ペットの不法投棄防止やリユースやリサイクルの促進のために、「魚類や両生類、爬虫類などのペットの無料引取り」や「水槽や飼育器材の無料引取り」などのボランティア活動をしています。
飼育しきれなくなった生き物や機材を、欲しいと思っている次の方へ繋げます。鹿児島や近隣の県(宮崎県、熊本県など)で生き物の引き取りや水槽の処分を考えている方は、ぜひ徳留アクア工房までお問合せ下さい。
無料引取りの詳細は、過去記事↓もお読みくださいませ。
