(※2023年10月追記:有効ですが古い情報です)ヨーロッパイエコオロギの繁殖(イモリやヤモリの餌を殖やそう!)

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※2023年10月23日追記:こちらの情報は、とても古い情報になっています。「2週間程度の一時的な補完+におい対策」には、かなり有効ですが、「温度管理」「湿度管理」「換気」のどれかのバランスを間違えると、コオロギが全滅することが多かったです。

現在は、改良して「コオロギのにおいを軽減させて」「コオロギを簡単に維持できる」方法を、別の方法で行うようにしています。

具体的には「手軽にコオロギの臭いを軽減する方法」としてーー

①コオロギの餌を「GEX:エキゾテラ:フトアゴブレンドフード に変える」ことで、大幅にコオロギの臭いを抑えられます。魚粉を使った餌ではなく、アメリカミズアブの粉末を使って+マンゴーの香りがつけられているので、熱帯魚の餌や金魚の餌などを与えるときに比べると雲泥の差で臭いが抑えられます。

②飼育容器に「多めに炭を入れることだけ」で臭いはかなり対策できます。また、炭を使うと「におい対策」以外にも「湿度の管理が楽になる」、「コオロギの足場になる」、「アンモニアなどの有害物質を吸着してくれるので、コオロギが死ににくい」などのメリットがあります。目安としては、飼育数やコオロギのサイズによって違いますが、炭を入れて悪いことはないので「多めかな?」と思う量を入れて試してみてください。

――ということで、餌用コオロギを1カ月くらい保管するためなら、コレで臭いは気にならなくなります。衣装ケースやプラケースで実践できますので、ぜひ、「コオロギの臭いに困っている方」は試してみてください。

※↓もご参考になさってください。

2023年11月版:ヨーロッパイエコオロギの「キープ時の臭い対策」について(アオカナヘビの餌用にも重宝します!)
過去記事のアクセス数を見ていると「コオロギの繁殖方法」「活餌のコオロギの臭い対策」が人気のようです。 ……ですよね、コオロギって十数匹までなら問題ないのですが、20匹を超えてきたあたりから「臭くなる」のが嫌ですよね……。 でも、活餌は爬虫類...

また、使用した炭は「水道水で洗う⇒1日水道水につける⇒天日干しをする」ことで、何度も使うことができます。(ボロボロになってきたら、砕いてコオロギの床材や産卵床に使い、その役目を終えたら、最終的には<庭や植木鉢の土に混ぜてあげる><燃えるゴミに出す>などで簡単に処分ができます)

また2023年度中には、活餌用や人間の食用にも使える『炭を使って増やした健康的なコオロギ』を徳留アクア工房でも販売したいと考えていますので、最新のコオロギの保管方法なども今後、機会を作って紹介したいと思います)

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2023年ももう2月ですが、ぼちぼち暖かい日が続いています。三寒四温で気温の変化は有りつつも、徐々に春がやって来ている印象です。庭の梅の木なども、白い花を咲かせています♪

――ということで、今回の記事では「ヨーロッパイエコオロギの繁殖」について紹介します。コオロギの繁殖は、イモリやヤモリの餌を自給自足するためにも重要です。例えば、コオロギは↓のように各サイズで色々な生体の餌に使えます。

 

==生体とコオロギのサイズ==
・チビイモリ→生まれたてのゴマ粒くらいのコオロギ

・子イモリ→5㎜程度のチビコオロギ

・ニホンヤモリや亜成体のイモリ→8㎜~10㎜程度のSサイズコオロギ

・海外産ヤモリ→10㎜以上のMやLサイズのコオロギ
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↓例えば、ミナミイボイモリの子イモリはSサイズコオロギを与えています。

また、コオロギに人工飼料(熱帯魚の餌や亀の餌)を食べさせて、栄養強化(ガッドローディング)してから生体に与える方法もあります。栄養満点な餌をあげることで、イモリやヤモリを健康に育てることが可能になるのです。

あるいは、コオロギに直接カルシウムやビタミンのパウダーをまぶす方法(ダスティング)もあります。活餌では補充しきれないカルシウムなどをまぶすことで、飼育下での栄養不足を防止するのです。

我が家では、↓のような餌をコオロギにもバランスよく与え、時々ビタミン入りカルシウム剤をダスティングして生体に与えています。

ちなみに、ペットショップなどでは一般的にコオロギが1匹5~30円しますが、複数匹いる色々なイモリやヤモリに活餌として与えていると、1週間で数百円~千数百円が飛ぶ計算になります。

……とてもそんなお金を払えないため、飼育頭数が多い方やイモリなどの繁殖を考えている方は、餌になるコオロギの自家繁殖も必須になります(笑)

 

ヨーロッパイエコオロギの飼育&繁殖に必要な物

コオロギの飼育と繁殖に必要なものをリストアップします。

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・中型のプラケース×2個以上

・大き目の衣装ケース×1個以上(プラケースを中に2個入れられるのが理想です)

・段ボール(隠れ家&湿度調整をコオロギが自分で出来る「避難場所にもなる足場」です)

・エサ皿(さ〇うのゴハンの容器を流用しています。プラスチックなので、汚れや破損に強いです)

・鈴虫の土(底砂を敷くと、コオロギの生存率が大幅にアップします)

・ミズゴケ(コオロギの給水場に使います。適度な保湿効果があります)

・コオロギの餌(庭で栽培した無農薬野菜+たんぱく源として「亀の人工飼料」「トカゲの人工飼料」などを与えています)
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↓が我が家のヨーロッパイエコオロギの飼育容器です。ボロくなって透明度が落ちたプラケースを、コオロギ用の家に使っています。

↓段ボールを外すと、このようなレイアウトになっています。コオロギは「蒸れると死亡率が跳ね上がる」ので、5月以降は水分少な目で管理をします。(逆に、乾燥気味の冬場やエアコンが入る場所では、水きれを起こさないようにミズゴケに水分を多めに含ませて調整します)

なお、コオロギの飼育容器に「土を入れない方が良い」という方も多いです。その理由は①「土が入ることで飼育容器を掃除できない=汚れて臭いがきつくなる≒コオロギが病気になったり、大量死したりして全滅する」ことが多い②「底砂に産卵するため、サイズ別での飼育管理が難しくなる」③「コオロギの餌が汚れてカビが生える」ためです。

しかし、適切に管理すればコオロギの飼育容器に土を入れることは悪いことではありません。土をいれることで、コオロギのストレス軽減&湿度の維持&水切れによる死亡を防ぐことができるので、コオロギの生存率をかなり上昇させることが出来ます。

 

そのため、上記の①②③に対応する方法で飼育をすれば、メリットだけを享受することが出来ます。具体的には(A)「2週間で飼育容器を変えていく(親コオロギを別容器に移動させる)」と(B)「プラスチックのエサ皿を使う+野菜でエサ皿に上り下りができる足場をつくる」だけです。

 

(A)では、親のコオロギを2週間ごとに別容器に移すことで、飼育容器の汚れや匂いを防止します。そして、底砂とミズゴケだけで空になった容器をそのまま(乾燥しないように土にビニール袋をかぶせるとより良いです)2~4週間おいておくと、チビコオロギが一斉に孵化します。あとは、その容器のままで必要なサイズに育てて行くだけです。

欠点としては、「飼育容器の数が増えること=飼育スペースを圧迫すること」がありますが、プラケースなら重ねて置くことも可能ですので、自分の飼育する生体の数や飼育スペースに合わせて、容器の数を調整してみて下さい。

 

(B)では、床材に人工飼料を直接置かないことでカビや腐れを防止できます。また、エサ皿をプラスチックにすることで洗浄や耐久性をアップさせることが可能になります。(発泡スチロールや鮮魚のトレーなどは、コオロギが齧るので使わない方が良いです)

大切なのが「エサ皿に上り下りができる道をつくる(野菜を置くだけでもOK)」ことです。エサ皿の匂いがしても、中に入れないと餌を食べられませんので。足場にする野菜も2~3日に1回程度交換すれば、清潔に維持することができます。

 

ヨーロッパイエコオロギの「臭い」対策

コオロギは匂いがすることを知っていますか? 貴腐ワインではありませんが、濡れた犬の匂いがするのです(笑) 数が増えれば増える程、犬の匂いが……otz

そのため、両生類や爬虫類の繁殖には欠かせないコオロギですが、コオロギの匂いが原因で繁殖を断念している方も少なくありません。かくいう私も、長年コオロギの匂いには悩まされていました。

あまり大きな声では言えませんが、コオロギの匂いが嫌なあまり、臭いの少ないデュビアやレッドローチ(いわゆるG様)を活餌にしていた時もあります。見た目的にはワモンやチャバネなのですが、彼らは「ツルツルした壁を昇れない」「共食いをしない」という特徴があるため、活餌としては楽に管理することが出来ます。

 

そんな、濡れた犬を飼育しているようなにおいがするコオロギですが――我が家では↓のように「プラケースを衣装ケースの中に入れる」という方法を使って、匂い対策をしています。

この方法、デメリットも多少は有るのですが匂いがほとんどしないです。密閉容器の為、95%以上シャットアウトできていると思います。餌やりや容器の掃除は、ベランダや庭ですれば良いですからね♪

それに、湿度管理さえ上手に行えば、匂い対策以外のメリットも多いのでオススメです!

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(デメリット)

・容器が蒸れすぎるとコオロギが死ぬ(床材やミズゴケの水分量で調整可能。5~10月は注意)

・密閉できる衣装ケースは良いお値段がする(我が家のは3500円しました……otz)

 

(メリット)

・コオロギの飼育容器が乾燥しない(毎日、給餌で餌やりするので酸素の有無は考えなくてOK)

・コオロギの匂いが全然しない(密閉できる衣装ケースの場合に限る。でも、コレはかなり便利!!)

・コオロギが脱走しにくい(餌の野菜の葉っぱの裏とかにいても、↑のように管理すれば部屋の中に逃げ出しにくい)

・飼育容器の温度変化をゆっくりに出来る(冬の保温が楽になる。朝~夕方まで暖房が入っている部屋なら、夜に保温が原則不要なくらい)

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コオロギの匂いが嫌な方は、ちょっと良いお値段ではありますが……ぜひ密閉できる衣装ケースをお試しください。容器ごとに重ねることが出来ますし、夜の保温も不要なので大量にストックする事も可能です♪

 

まとめ(活餌のヨーロッパイエコオロギの繁殖について)

さて、ここまでヨーロッパイエコオロギの飼育と繁殖について紹介してきました。ペットの生餌用のコオロギは、ヨーロッパイエコオロギ、フタホシコオロギ、クロコオロギ(大型のフタホシコオロギのみを交配してつくられた大型のフタホシコオロギ)が一般的です。

フタホシコオロギやクロコオロギは「肉食性が強い」ため、たんぱく質が足りないとすぐに共食いをしますし、場合によっては「(餌のはずなのに)生体に噛みつく」こともあったりします……(´;ω;`)ウッ…

その点、ヨーロッパイエコオロギは共食いや生体への攻撃が比較的少ない(ゼロではない)ので、自家繁殖もしやすいです。

イモリや爬虫類の繁殖を考えている方は、ぜひコオロギの繁殖もチャレンジされてみて下さい♪

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(余談:野生のコオロギは活餌にならないの?)

野生のコオロギは止めて置いた方が無難です。生体の餌としては食べてくれますが、「エンマコオロギの頭と後ろ脚はかなり固い」ため、「消化不良」や「生体の胃袋の中で噛みつく事故」の原因になりかねません。ミツカドコオロギやスズムシなどは使えなくはないのでしょうが……2つ目の理由でお勧めはしません。

その2つ目の理由は、「農薬や寄生虫に汚染されている可能性」です。見た目では一切分からないことも多い農薬や寄生虫ですが、虫の中で蓄積されていると考えると恐ろしいです。そのため、活餌としては使わない方が無難です。

(とはいえ、私も野外採集の生餌を使うことがあります。自宅の庭の草木に着くアブラムシなどです。上陸したばかりの子イモリの餌にかなりお勧めですが、コレは自宅の庭という農薬汚染の可能性が限りなく低い場所で採集できる活餌だから使っています)