メダカや熱帯魚&両生類の餌に、ちょっと良い餌(ブラインシュリンプ・皿式)を使ってみませんか?

鹿児島市の徳留アクア工房では、メダカの産卵シーズンが始まっています。ダルマめだかも、順調に卵を産んでくれています。

――とはいえ、まだ「日当たりが一番いい場所」だけで産卵が始まっている印象です。これからもっと暖かくなっていくにつれて、産卵してくれる個体も増えていくと思っています。

さて、今回の記事の中身ですが……あなたは「ブラインシュリンプ」というモノを知っていますか? いわゆる「小魚や稚魚向けの生き餌」のひとつで、熱帯魚の繁殖には欠かせない餌なのですが……使いこなすのにはちょっとしたコツが必要な餌でもあるのです。

そんなブラインシュリンプについて、今日は紹介していきたいと思います!

ブラインシュリンプとは?

世界中の塩湖(海水と同程度かそれ以上の塩分濃度を持つ湖)に棲む、甲殻類の仲間です。小さな状態ではミジンコみたいな姿をしていますが、大きく育つと1~2㎝ほどのエビのような姿(普通のエビではなく、ホウネンエビに似ている)になってくれます。

生物の餌として流通する時には、「ブラインシュリンプ・エッグ」と呼ばれて、直径0.1㎜前後の乾燥した卵の状態(耐久卵)で販売されています。その年の市場価格にもよりますが、大体30gで1000円前後で購入できるかと思います。

なお、熱帯魚の稚魚などに餌として与える時には、適切な濃度にした塩水の中に卵を入れて、孵化させて使います。塩湖に棲む生き物ですからね。

 

↓下の、茶色の粒粒が卵。半透明なオレンジ色~黄色がブラインシュリンプです。

淡水産のタマミジンコやホウネンエビも、耐久卵から孵化させると同じように使うことが出来ます。ただし、孵化した時のサイズや流通価格などで考えると、ブラインシュリンプ・エッグの方が使い勝手が良いと言えるのも事実です。

ブラインシュリンプをベタ(熱帯魚)の稚魚に与えてみる/皿式

この記事を書くにあたって、メダカにブラインシュリンプを与えようかなとも思ったのですが……。飼育している熱帯魚(ベタ・プラカット)が卵を産んで、稚魚が泳ぎ始めたので、彼らの餌にしてみることにしました。

今回は、エアポンプを使わなくてもブラインシュリンプをわかすことができる「皿式」という方法をご紹介します。

用意するモノ(皿式という方法では)

・塩水(水道水500MLに食塩20gが目安)※すみません、1L20~30gが頭の中にありました。正確には500MLに10~12gが目安です。
・ブラインシュリンプ・エッグ(30gで1000円程)
・透明で水がいれられる容器(100均の小さなプラケースなど)
・大き目のスポイト(100均にもあります)
・茶こしシート(100均にもあります)

ブラインシュリンプ・エッグのわかし方(皿式)

①透明な水がいれられる容器に、塩水を1㎝ほどの深さになるように入れます。

②その上に、ブラインシュリンプ・エッグをぱらぱらと撒いていきます。目安としては、卵が重ならない量がおすすめです。多すぎると孵化した稚エビが酸欠で死んでしまいやすくなりますし、少なすぎると餌として足りなくなってしまいます。

③ヒーターの入っている水槽の上など、水温が22度以上~30度未満になる場所に、透明な容器ごと置いておきます。なお、24時間ほどで、容器内に小さなプランクトンがわいてきます。

ブラインシュリンプは光に集まる習性があるので、水槽用のライトなどを片側から当てて、ブラインシュリンプを集めます。そして、スポイトで吸い取ってから「茶こし」でブラインシュリンプだけをこしとります。

⑤茶こしごと水槽の飼育水にいれて塩分を落とします。そして、飼育水ごとスポイトでブラインシュリンプを吸い取ってから、稚魚に与えます。

 

ブラインシュリンプを食べているか? の判別方法

とても小さな稚魚が、とても小さなブラインシュリンプを食べているのか……小さすぎて、よくわからないことも多いと思います。でも、ちょっとしたコツを知っていれば一目で判断することも可能です。

そのコツとは、「稚魚のお腹がオレンジ色になっているか?」というもの。ブラインシュリンプは、エビの仲間なので淡いオレンジ色をしています。そんな彼らをたくさん食べると……稚魚のお腹がオレンジ色に透けて見えるのです。

知っていると何でもないことですが、餌をしっかりと食べているのか判別することができますので、ぜひ覚えていて下さい。

 

まとめ:メダカや熱帯魚の餌にブラインシュリンプを使ってみませんか?

ここまで、ブラインシュリンプについて紹介してきました。

最初のうちは慣れるまで、ちょっとしたコツが必要なブラインシュリンプですが――その栄養価や稚魚の餌喰いは「活餌」ゆえに抜群です。

高級な品種のめだかや熱帯魚、稚魚のうちは活餌しか食べない魚や両生類などには、本当に欠かせない存在です。稚魚⇒幼魚にするための生存率や成長の早さにも(種類によっては)違いがでますので、ぜひ、ここぞという時に上手に活用してみて下さい。