とっても簡単な「メダカの稚魚」の育て方(鹿児島市/徳留アクア工房の場合)

今回は、とっても簡単なメダカの稚魚の育て方をご紹介します。実際に、鹿児島市で当工房が実践している方法になります。

用意するのは、次の通り。

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☆12リットル以上の飼育容器(発泡スチロール箱、トロ船、大き目のバケツなど)
☆カルキを抜いた水(中和剤の使用は不可)
☆浮草になる水草(ドワーフフロッグビッドなどがおすすめ)
☆稚魚専用の人工飼料(当工房の通販サイトで売っています♪)

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ざっくりと説明すると、「卵を採取」⇒「稚魚専用の容器に隔離」⇒「1.5㎝前後になるまで、水替えをしないで飼育」という流れになります。

 

まずは、こんな感じで水草などについた卵を採取します。

人口水草(産卵床)を使うのもありですね。

卵が取れたら、いよいよ「稚魚育成計画」の始まりです!

ちなみに、ポイントはいくつかありますが――稚魚は水質の変化に弱いため1.5㎝前後になるまで水替えをしないというのが当工房おすすめの「メダカの稚魚の育て方」になります。

さらに、「より早く大きくする&健康な体を作る&水草の浄化作用を助ける」ために直射日光がよく当たる場所(春・秋はガンガン1日中当ててもOK)で卵~稚魚~幼魚を育てるというのも当工房のおすすめ飼育法になります。

それでは、この2つのポイントを踏まえて、具体的なセッティングについて見ていきましょう!

メダカの飼育容器を準備する

……この写真のモノは、かなり使い込まれた容器になってしまいますが……飼育容器を準備しないことには、メダカの飼育は始まりません。

この画像のように、最初は12リットル以上の飼育容器(発泡スチロール箱、トロ船、大き目のバケツなど)を用意します。

なぜ、12リットル以上なのかというと「2~3か月間、水替えを一切しないでも水質が悪化しない水量が必要だから」です。

そして、可能でしたら、次のポイントを押さえた飼育容器を選ぶと安心です。

「紫外線に強い」飼育容器を選んで

容器は基本的には、どんな容器でも大丈夫ですが……「紫外線に強い」という視点から考えると、発泡スチロール箱やトロ船(コンクリートを混ぜるプラスチックの箱)などがおすすめです。

当工房のおすすめの飼育方法は、ガンガン直射日光を当てることを厭わないので、紫外線の影響は避けられません。

逆に、(紫外線に弱い)ガラスの水槽や透明の衣装ケースなどを使ってしまうと……「紫外線で劣化して、ある日突然、割れてしまう=メダカが干からびて☆になる」事故につながってしまいます。

「……1年目は良いのです。2年目、3年目の夏に……事故が起こり……」 ( ノД`)ノシ ←とある工房の経験者?

――ということになりかねませんから。

「水面の表面積が広い」飼育容器を選んで

メダカは、水中の酸素をエラから取り込んで、呼吸しています。

水中の酸素濃度を稼ぐためには、なるべく表面積が広い飼育容器がお勧めです。発泡スチロール箱とかトロ舟などはこの条件にも一致します。

水瓶やバケツなども、口が広いものならば大丈夫です。

飼育容器の置き場所も大切

12リットルの飼育容器、簡単に移動させることは……できなくもありませんが。稚魚が生まれた後は、なるべく飼育容器は動かさない方が成長には良いようです。

次のような場所を選んで、容器を設置してあげて下さい。

①直射日光がよく当たる場所
②猫や鳥が悪戯しない場所(100均のバーベキュー網を乗せて対策するのもOK)
③落ち葉や雨水が入り込まない場所(可能であれば)

特に、日当たりが大切ですので、日当たりを最優先で選んでみて下さい。

 

猫や鳥は、基本的にはめだかに悪戯をすることはあまりないのですが……100均のバーベキュー網を乗せておけば、悪戯の予防になります。

また、落ち葉や雨水の影響ですが――鹿児島県などのように「火山灰が降る地域」や都市部のように「酸性度が高い雨が降る地域」では、飼育容器に雨水を入れないほうが好ましいと個人的には感じます。

しかし飼育スペースの関係上、当工房でも一部「雨水が当たる場所に飼育容器を置いている」のが現状です。幼魚~成魚はそれでも特に問題は感じないことが多いのですが……「雨の少ない冬場」×「稚魚の育成」では、雨水が入る場所は鬼門になります。飼育容器内の7割くらいのメダカにダメージが出たこともあります。

(ちなみに鹿児島市の場合、冬場はPM2.5や黄砂なども飛んできますので、その影響があるのかなと個人的には考えています。低水温も関係しているのかもしれません。夏場などは、火山灰が降っても特に問題はありませんから……)

 

なお、置き場所に関しては、コンクリートの床の上に飼育容器を直置きするのだけはNGです。夏場に、水がお湯になってしまって、全滅の危険性が高まります。

コンクリートの上に置く場合には、床と飼育容器のあいだに「1×4の木材を敷いて隙間を作る」「発泡スチロール箱のふたを1枚敷く」などの対策をしてあげて下さい。小さいことですが、効果は大きく違います。

メダカの飼育水を用意する

メダカの飼育水は、(鹿児島県の場合は)「飼育容器に水道水をそのまま入れて、丸一日置いた水」がベストだと考えています。

水道水は殺菌消毒がされていますし、水道水の中の塩素は半日程度、汲み置きをすればほとんど抜けてくれますので、安心して使うことができます。

直射日光がよく当たる場所に置いておくと、数日~1週間程度で、綺麗な緑色になってくれます。(アオコという藻の仲間が増えてくるためです。メダカの稚魚の場合は、餌にもなってくれます)

余談:その他の水について

なお川や池の水は、雑菌や魚の寄生虫の混入の原因になりますし、農薬が混ざることがあるので避けた方が良いです。

飲料用の井戸水や湧水は、農薬の心配が無いので使用しても大丈夫です。(しかし、自家用の井戸がある家は少ないかなと思います。使える方がうらやましいです♪)

雨水は、「冬場の雨水」は絶対にやめておいた方が良いです。PM2.5や黄砂の影響なのか、メダカの浮き袋に致命的なダメージが出て「くるくる回るように泳いで、餌が取れなくなった⇒その容器に入れたメダカが全滅」ということがありました。

ミネラルウォーターは、水の硬度が合わないと「稚魚の奇形の原因」にもなると言われていますし、12リットル以上用意するならば費用が高くなるのでおすすめしません。

お風呂の残り水……うん、やめておきましょう!(……いや、実際に問題なく使用している方がいると聞いたこともあるんですが……皮脂とか汗とかが溶けることを考えると……おすすめはできませんよね??)

メダカの隠れ家になる浮草を入れる

メダカの隠れ家になる浮草は大切です。

隠れ家になってストレスを軽減してくれるだけでなく、水質の浄化ちょっとした餌(ゾウリムシなどの発生源)にもなってくれます。

当工房で使用しているのは、「ドワーフフロッグビッド」をメインにしています。光がよく当たる場所では、耐寒性&耐暑性が高く、かなりよく殖えて、根っこが長く伸びて水質を浄化してくれるからです。

メダカ(稚魚)の餌を用意する

メダカの稚魚を大きく育てるには、餌もかなり大切です。

ホームセンターなどで手に入る、市販の稚魚用の餌でも育てることは出来るのですが……プロ向けの専用の餌を使った方が、生存率、成長の早さ、最終的な成魚のサイズなどが明らかに違います。

当工房では、ペットの金魚や熱帯魚の飼育だけでなく、食用(養殖用)の魚にも使われている「プロ仕様の餌」に「ビタミン&カルシウムを強化したオリジナルの人工飼料」を使っています。

オキアミが原料に含まれているので、魚の食いつきが抜群ですし、魚の体内での吸収にも優れている餌です。また、ビタミンやカルシウムを強化することで、何も加えない状態よりも、稚魚や幼魚の成長に良い効果があると実感できています。

生存率、成長の早さ、最終的な成魚のサイズなどが本当に違います。

 

「めだかの稚魚を育てるのが難しい!」

「稚魚の生存率が悪い(10個の卵から5~7匹以上の幼魚に育たない)」

「稚魚の成長が遅い……otz」

――と感じている方には、当工房の通販サイトでも販売していますので(稚魚用50g/成魚用50g:各500円税込)ぜひ、一度試してみてください。餌をかえるだけで、稚魚の育ちは大きく違いますよ♪

 

※ただし、餌の与えすぎは「水質悪化⇒全滅」の原因になりますので、注意して下さい。例えば、生まれたばかりの稚魚が15~20匹以内なら「水面の表面に、指先で一つまみ、ぱらりと与えるくらい」がちょうどいいです。その後、稚魚の成長に合わせて餌の量を調整していきます。

※餌の量は、少ないことよりも、多い方がめだかへの悪影響が大きいです。最初は「少し少ないかな?」くらいで様子を見てあげて下さい。

まとめ:メダカの稚魚の育て方(鹿児島市/徳留アクア工房の場合)

まとめです。

①水替えをしない

②直射日光がよく当たる場所で育てる

③冬の雨水は入れない

④稚魚の餌にこだわってみる

⑤餌は食べ残さない量を与える

この5つに注意しながら、稚魚を飼育してみて下さい。きっと大きく元気に育ってくれると思います。

 

以上、鹿児島市の徳留アクア工房流「とっても簡単なメダカの稚魚の育て方」でした♪