奄美大島の生き物持ち出し自粛願いのポスターについて思ったこと 〜時代は変わりました。野放図な人がいる以上、持ち出し規制はしかたないです〜

2026年3月24日付の南日本新聞の記事によると、奄美大島の生き物持ち出し自粛願いのポスターが公開されたようです。

私自身もアマミシリケンイモリを2024年度頃までは(厳選した少数の個体を)持ち出ししていましたが、今はもう時代が変わりました。

一部の人による数百匹の大量持ち出しや空港での自粛願いを突っぱねるという「配慮のない行動」「世間からの非難を集めやすい行動」により(本来は良識と常識の範囲なら「黙認」だったものが)、やっぱり規制が強くなってしまいました。

今後、2027年度には条例での規制も入るような動きも有ります。そうなるとイボイモリのように、飼育している個体への規制や流通制限も検討されるかもしれません。

私としては「飼育できない生き物=触れ合えない=興味関心が薄れる」ということになるのは、もったいないなと感じます。

魅了的な生き物を飼えること=自然への興味関心や愛情を育てること=持続的な自然と人間のお付き合いにつながると考えているからです。

そういう意味では、アマミシリケンイモリやアマミノコギリクワガタが、イボイモリやイシカワガエルのように水族館や動物園でしか見れない生き物になってしまうような「行き過ぎた規制」までいくのは寂しいとも思います。

(ちなみに上記の生き物は奄美の森でも出会えるーーという意見もあるかと思いますが、生息地を知らない人間が狙って彼らを見つけるのはクロウサギ以上に難しいです。実際、私もイボイモリは生で見たことがありません。ここ5年くらい毎年奄美に複数回通ってもイシカワガエルが見れたのはたった数回です。林道を横切るクロウサギの方は数え切れないくらい見ているにも関わらずです)

そのうえで、奄美の生き物への規制は、(配慮のない人間がいることへの対応として)時代として絶対に必要なことだと私も感じます。

数百匹の持ち出し、規制区域での採集、法律や条例違反(特に昆虫用の罠)などが野放図にされているのは1人の生き物愛好家としても心が苦しくなります。

本当に「バランス、良識、常識」という言葉が通じない人間がいるせいで規制が強くなってしまいますがーーそれも時代です。

「持ち出し規制はしかたない」ーーでも、日本の生き物飼育の未来を考えて頑張って繁殖させている「繁殖個体の流通は応援してほしい」とも感じています。

……とはいえ、私も「奄美の宝を持ち出した人間」として「大量持ち出しをする人間と同じだ」と思う人もいるかもしれません。

なのでここに書いておきます。

私は「アマミシリケンイモリを商業的な繁殖もしくは養殖を成功させて、ペット用としての需要は繁殖させた個体のみで賄える未来」を目指しています。

イボイモリのように「魅力的なのに一般的に飼育できない=自然に対する興味関心が薄れる=イモリの生息地が開発で消滅する」のは避けたいのです。

5年以上前から、法律や規制が入ると「アマミシリケンイモリが持ち出せなくなる」と考えていて、毎年2回ほど奄美に通って「綺麗な色や模様の厳選した少数の個体」を少しずつ持ち帰って飼育と繁殖させてきました。

合法の範囲内で、「アマミシリケンイモリをペットとして飼育できる未来」&「アマミシリケンイモリが自然の中で観察できる環境」を残したいーーと考えて行動しています。

生き物の(特に両生類や爬虫類の)世界は、毎年のように規制が入ります。CITES、特別天然記念物、種の保存法、特定外来生物法、動物愛護法、各自治体の条例などなど。

規制が入ることは「必要」ですが、「強すぎる規制は歪みが起きる」とも感じています。

奄美大島の生き物持ち出し規制については、今後も動向を注視して行きたいと考えています。

(もし、条例制定などにイモリ飼育者としてのご意見が必要でしたら、ご協力は惜しみません。色々な考え方や立場はあるかと思いますが、私も奄美大島の発展と生き物の繁栄を願っています)