イモリの卵~2㎝程度までの幼生の管理方法(2023年度アマミシリケンイモリ等の繁殖)

2月中頃から、うちのアマミシリケンイモリ達の産卵が始まり、3月に入ってから卵が孵化しましたので、今回の記事で紹介したいと思います。

 

アマミシリケンイモリの卵の管理(サテライトに任せよう!)

アマミシリケンイモリの卵~幼生の管理は、水槽用品メーカー、スドーさんの「サテライトM」や「サテライトL」を使うと、水替えをしなくていいので管理がかなり楽になります。

スドーさんの「サテライトシリーズ」は、60㎝水槽などに「産卵箱を外付けできる」製品になります。グッピーや小型魚の繁殖、幼魚の飼育、けんかする魚の隔離などに便利ですが、「イモリの卵~幼生の管理」にもかなりお勧めです。

↓のように、フレームレス水槽でも外掛けができます。

なお、サテライトに入れる卵の数の目安ですが、「サテライトL=30個まで」「サテライトM=15個まで」「サテライトS=使用を推奨はしないが、5個程度までなら可能」と私は考えています。

卵が産みつけられた水草とウイローモスなどの「幼生の隠れ家」になる水草を入れてあげると良いです。幼生は共食いをするため、隠れ家が少なかったり、卵を多く入れ過ぎたりすると、手足を喰われる個体が続出しますので。

 

――とはいえ、イモリ類は手足や尻尾程度なら幼生の時に喰われても、再生するので共食いするサイズ(手足が生えてくる時期)になったら「サテライト内の個体数を15匹程度にする&水草を多めに入れる」「大きな個体(他の幼生を齧ると大型化しやすい)をすぐに隔離」すれば大丈夫なのです。

本当に、イモリの幼生は同時期に生まれたにもかかわらず、かなり成長に差が出るため「大きく育った個体が小さめの個体を大きく齧る」ことがありますので、サイズ差には要注意です。尻尾などを大きく齧られると、そこから水カビ病などに汚染されて、幼生の体力が消耗して死んでしまうことがあります。

※水カビ病などの防止には、「水替え=清潔な流れのある水」が重要です。そういう意味でも、「サテライト+親水槽で多くの水量を確保できる」ということは、大きなメリットがあります。

 

幼生の流出防止をして下さい

サテライトはとても便利な製品なのですが、そのまま使うと「排出口のスリット」から小さな幼生は流れ出てしまう恐れがあります。

サテライトから流れ出ても、親水槽で生きていくことが出来るのですが……親水槽に熱帯魚がいると食べられてしまいますし、水草だけの水槽だとしてもレイアウトを崩さずにイモリの幼生だけを改修するのはかなり大変ですので、「サテライトから流出させないこと」は大切です。

 

流出防止策としては、「サテライトの排出口に濾過ウールを軽く詰めておく」だけでOK。飼育水は通しますが、幼生は流れださなくなります♪

↓のように詰めます。ウールは汚れるので、(後述のように)定期的に洗浄して下さい。

 

アマミシリケンイモリの2㎝程度までの幼生の管理

アマミシリケンイモリの幼生も、引き続きサテライトで管理します。

卵が生まれてから3週間~水温が温かい時期では15日前後で↓のように、イモリの幼生が孵化します。

手足が生える前のイモリの幼生は、基本的に「ブラインシュリンプ(活き餌)」で管理します。毎日、ブラインシュリンプを少量で良いので、朝晩与えます。

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ブラインシュリンプは、ソルトレイクシティなどで有名な「塩湖」に住む甲殻類です。姿形はホウネンエビに似ているなぁと感じます。

そのブラインシュリンプの卵が熱帯魚の餌として流通していますので、それを塩水に入れて孵化させて、生き物の餌に使います。なお、水槽の生き物の繁殖に欠かせないブラインシュリンプの使い方は、次回の記事で詳しく紹介したいと思いますのでお楽しみに♪

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――それでは、話をイモリの幼生に戻します。

 

足が生えてくる=共食いが始まる

最初は手足が生えていなかった幼生ですが、1~2週間ほどで前足が。その後、追加で1~2週間ほどで後ろ足が生えてきます。

サイズは1㎝~1.5cm程とまだまだ小さいですが、ウーパールーパーみたいな姿で水槽の中を歩き回るようになります。

……この、歩き回るのがポイントなのですが、「目の前にある動くもの=餌」と認識して、齧りつくようになるのです。そのため、イモリの幼生同士の齧り合いが始まります。

サテライト内に過密状態で飼育していると、どんなに水草を多めに入れていても齧り合いで死ぬ子が出てきますので「1.5㎝までは25匹」「2㎝超えたら15匹」程度に幼生の密度をさげてあげるといいです。

(サテライトから取り出す時には、水ごと掬える計量スプーンなどを使います。魚網で掬うと、身体に傷がついて水カビ病で死んだりしますので)

 

また、手足が生えはじめたらウイローモスなどの「立体的な隠れ家」を多めに入れておくと幼生同士の遭遇率を下げて、齧り合いになった時にもすぐに逃げられるようになるため、幼生の生存率が上がります。

 

体長が1.5~2㎝になったら、冷凍赤虫に餌を切り替える

ここまでは活き餌のブラインシュリンプを与えていましたが、冷凍赤虫に喰いつけるサイズになり次第、餌を冷凍赤虫に切り替えます。

冷凍赤虫は「解凍して、サテライト内に入れる」だけでOKです。餌が残り過ぎないように、15分程で全部の個体が餌を食べ終わる程度の量を調整してあげます。

感覚としては、「2㎝までで25匹程度ならキューブの半部程度」「3㎝を超えてきて15匹程度になったらキューブ1個」などです。サイズや飼育密度、成長具合で適宜管理します。

 

なお、大きくなってもブラインシュリンプを与えていると「幼生が水面に浮く(ブラインシュリンプの殻などが、体内で消化不良を起こしてガスを発生させてしまう)」という不具合が出てきます。これが原因ですぐに死ぬことは無いのですが、水中に戻ろうとして体力を消耗したり、水面から出ている部分が乾燥して水カビ病になったりと悪い影響が多いです。冷凍赤虫に齧るつけるサイズになり次第、切り替えてあげて下さい。

 

↓のように、ブラインシュリンプを与える時には、卵の殻がどうしても混じってしまいがちになります。ブラインシュリンプは光に集まる習性があるので、大部分は分離出来るのですが……。

 

3㎝程度になったら、単独飼育に切り替える

幼生の体長が3㎝程度になったら、水質悪化にもかなり強くなっていますし、共食いで相手に与えるダメージも大きいので、「単独飼育」に切り替えます。

3㎝以上の幼生の単独飼育方法については、我が家の幼生達が育ってから、また紹介したいと思います。単独飼育は「衣装ケースなどの大き目の容器」に「穴をあけたプラコップ」などで管理する方法です。お楽しみに♪

 

(余談)サテライトの汚れに注意!

サテライト内の飼育水は、親水槽から随時補給されるので比較的綺麗になっていますが、サテライト内も時々は掃除が必要です。

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①餌の食べ残し(ブラインシュリンプ)⇒ブラインシュリンプの汚れが目立ったら、スポイトで吸い出して捨てて下さい。

②餌の食べ残し(冷凍赤虫)⇒毎日1回、食べ残しをスポイトで吸い出して捨てて下さい。(あくまで自己責任ですが、1日以内の赤虫なら、我が家ではイモリの幼生の食べ残しは「サテライトの親水槽(水草管理水槽)にいる熱帯魚の餌」にしています)

③流出防止のろ過ウールの洗浄⇒汚れ具合を見ながら3日~5日に1回程度、流出防止のウールを水道水で洗浄します。食べ残しのブラインシュリンプなどが溜まったものが腐敗していることも少なくないので、水道水でしっかり洗い流してから、再利用します。5月頃など暖かい季節になったら腐敗しやすさも高まるので、餌や生体の状態に合わせて、毎日洗浄する場合もあります。

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↓の排出口のように、2~3日で茶色くなってきます。なお、臭いがする時には確実に腐敗していますので、すぐに洗浄してあげて下さい。

 

まとめ:アマミシリケンイモリの卵~2㎝程度までの幼生の管理

今回はアマミシリケンイモリの卵~幼生の管理について紹介しました。基本的には「サテライトLに卵を30個程度入れて、育ち具合に合わせて飼育密度を下げつつ、餌を与える」という方法で卵~幼生は簡単に飼育が出来ます。

3㎝程度になるまでは、この方法で管理が出来ますので「餌食い」「共食い」に気をつけながら育ててあげて下さい♪

 

なお、私がだいぶ前に書いた電子書籍ですが、↓イモリ飼育のノウハウをまとめた書籍↓をAmazonキンドルで今も販売しています。内容は、主に卵~幼生~上陸するまで+上陸後の餌について。今思うと上陸後の管理についての情報に不足があるので、新しい電子書籍ではそこもカバーしたいなと思っています。

(今年の飼育情報をまとめてから、新しい電子書籍を出版したいなと思って準備をしていますが)こちらはAmazonキンドルの読み放題を契約している方は、追加料金なしで見ることができますので、「読み放題を契約している方」はぜひお時間のある時に見てみて下さい(笑)

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それでは、また次回の記事でお会いしましょう♪