2023年版:鹿児島市でクワガタやカブトムシを見つけるポイント~木の探し方や樹液の出る条件について~

今回の記事では、鹿児島市や鹿児島県内で「カブトムシやクワガタを自力で見つけるためのコツ」を紹介します。樹液の出る木が生えやすい条件や、樹液が出る条件なども紹介しますので、ぜひお時間のある時に読んでみて下さい。

※具体的な地名などは、採集ポイントが荒れる(ネット上に書くと乱獲する人も来てしまう)ので伏せてあります。ですが、鹿児島市郊外(吉野・吉田・谷山など)からさらに田舎の方に行けば「カブトムシやクワガタの良ポイントがゴロゴロしている」ので、今回の記事を参考にして自分だけの秘密のポイントを開拓してみて下さいね♪

 

カブトムシやクワガタ探しのポイント

それでは、早速ポイントを紹介していきます!!

①基本的には「クヌギ・コナラ・クリ」などの木を探す

まずは、カブトムシやクワガタが好む樹液を出す「クヌギ・コナラ・クリ」などのどんぐり系の木を探します。

シイタケ栽培のほだ木用として、郊外で植えられている所も多いので、そのような場所はカブトムシやクワガタの良ポイントになります。もちろん、所有者さんや管理者さんがいる農地や山林になるので、作物を踏み荒らしたりトラップを放置したりするのは絶対に×です。また、土地の管理者さんが農作業などをしている所に出会ったら「こんにちは。もしよかったら、カブトムシ採りさせてくれませんか?」と一声かけることで、こそこそしないで虫取りを楽しむことが出来ます。

また、クヌギやコナラ以外でも「シイ」や「ヤナギ」などにもクワガタが付きます。

「沖縄や奄美大島などでは、クヌギではなくシイの木がクワガタ探しに欠かせない木」になりますし、河川敷にある大きなヤナギの木には、ノコギリクワガタが大量に付くことがある(しかもみんな見逃していて、ライバルが少ない)ので、ポイント探しの時に頭の中に入れておくと虫と出会える可能性が高くなります。

 

②樹液の出ている木を探す=風通しと日当たりが良い場所がポイント

クヌギ・コナラなどの木は田舎に行くとたくさん生えていますが、その中でも樹液が出で虫が集まりやすい木は「風通しのいい場所&日当たりの良い場所」にあることが多いです。逆に、山の中や谷底などの暗い場所では木がたくさんあっても樹液が出ていないか、虫の集まりがよくない場合が多いです。

その理由は色々とあるのですが……「日当たりが良い=元々の木自体が元気に成長している=水分や樹液もよく出る」「風通しが良い=樹液の匂いが風に乗って拡散されるので、スズメバチやボクトウガのような樹液が出る原因になる昆虫が集まりやすい→樹液が出れば出るほど、さらに集まってくる」……と私的には認識しています。

 

実際に、雑木林をいくつか巡っていると気付けるかと思いますが「雑木林の端っこにある木」「道路わきにポツンと1本生えている木」などに樹液が出て、虫が集まっていることが多いです。クワガタやカブトムシ採集は夜間や早朝がほとんどだと思いますので、道路からアクセスしやすい場所で探せるのは良いことかと思います。

また、樹液の出ている木を見つけたら「根元、幹のくぼみ、樹皮のスキマ」を探してみてください。昼間でもクワガタやカブトムシが隠れていることも多いです♪

 

(余談)クヌギの木の見分け方

クヌギの木は、慣れれば一発で見分けることが出来るのですが……植物に興味が無い人が初めて見ると、「クヌギ・マツ・イチョウ・ウメ」などの木を見分けることが難しいようです。なので、ここで「クヌギの見分け方」を紹介しますね。

A:幹がひび割れている木を見つける

クヌギを見つけるためには、まずは幹がひび割れている木を探します。なお、「クヌギ・マツ・イチョウ・ウメ」なども幹がひび割れているので、慣れる迄は見間違えないように次の判断をして行きます。

↓はクヌギの木

↓はマツの木

↓はサクラの木

B:根元にドングリやクリが落ちていないか見てみる

木の根元に「どんぐり」「栗のイガ」などが落ちていたら、その木はどんぐり系のなる木=「クヌギ、コナラ、シイ、クリ」などの木だという可能性が高いです。その木に樹液が出ていたら、カブトムシやクワガタが夜に集まる可能性も高いです。

もし、根元にどんぐりなどが落ちていなくても、次の項目「葉っぱ」でも確認してみましょう!

C:葉っぱの形を見てみる

カブトムシやクワガタが集まる「クヌギ、コナラ、クリ」などの木は、「葉っぱのふちがギザギザ」しています。

↓の写真のように、コナラ、クリ、クヌギで葉の形は変わりますが、どれもふちがギザギザです。

逆に、↓のようなマツやイチョウなどの木では「葉っぱの形が違う」ので、区別ができます。

〇=カブトムシやクワガタが集まる系:葉っぱがギザギザになっている。
×集まらない系=葉っぱが細く尖っていたり、三角形になっていたりする。

――というようになりますので、ぜひ一度、Google検索などで樹木についても調べてみて下さい。

 

③カブトムシやクワガタの「頭だけの死骸」が近くに落ちている場所を探す

カブトムシやクワガタが多いポイントでは、日中に下見に行った時に「足元にカブトムシやクワガタの頭だけの死骸が落ちている」ことも多いです。これは「夜に樹液にやって来た虫を朝になってカラスが食べる→食べにくい角がある頭だけ食べないで捨てる」ことから起こります。

実際、↓のような死骸が見つけられたら「朝方、カラスよりも先に(明るくなる前に)行けば、捕まえられる」と確定したようなものです。樹液が出ている木を探して、暗いうちに探してみて下さい。

④樹液が出ていなくても、「バナナ」や「昆虫ゼリー」を幹に塗ってみる

樹液が出ている木が無くても、クヌギの木が有ったらバナナや昆虫ゼリー、はちみつなどを木の幹に塗っておくと、日が暮れるころに虫がやってくることも多いです。この場合は「風通しが良い場所」を選ぶことがポイントです。風通しが良いと、風に乗って遠くからカブトムシやクワガタを誘って連れて来てくれますので。

また、余談ですが「カブトムシやクワガタが確実に来る雑木林の近く」にて「あえてクヌギやコナラの木を外して、桜の木や杉の木にバナナを塗る」という方法も使えます。

これは、ライバルが多い場所(住宅地の近くや観光地)でのクワガタ採集に使えるのですが、ライバルが確認しない桜や杉の木(カブトムシが付かないのでスルーされる木)にバナナなどを塗ることで、自分だけが知っている採集場所を意図的に作ることが出来ます。

 

(余談)虫の採り過ぎと木を傷つけるのはNG!

自然の中で採集をする時には「採り過ぎ」はNGです。

基本的には「欲しい数だけ採集をする」「気に入った個体だけを選んで持って帰る」「飼育できる数だけにする=持て余すような数は持ち帰らない」という意識を持っていたら大丈夫かと思います。

また、「木を傷つける」のもNGです。↓の写真は2020年の写真なのですが、樹液を出そうとして樹皮を剥かれてしまっています。

一見、虫が良く集まっているように見えますが……木の勢いが弱まって、最悪の場合は木が枯れてしまいます。この木も翌年は「樹液が出ずに虫が寄り付かなくなった」状態でした。

そもそも、樹液の出る条件は?(傷つけるだけではダメ!蛾が重要!!)

そもそも、クヌギなどから樹液が出る条件は、次のようになります。傷をつけるだけではだめで、樹液を出し続けて虫をおびき寄せるには「ボクトウガ」という蛾を誘引させないと樹液は出続けてくれません。

①木の幹をスズメバチなどが齧って傷が出来る
②小さな傷に「ボクトウガ」などが卵を産み付ける
③ガの幼虫が傷から中に入り、樹液が湧く
④数日後、樹液が発酵してスズメバチが寄ってくる
⑤さらに齧られて、樹液がさらに出る
⑥多くの樹液が発酵して、カブトムシやクワガタがやってくる

――つまり、人間の手で傷をつけるだけでは①の段階だけでしかなく、ボクトウガなどが寄ってこなければ「すぐに樹液が乾燥する=傷をつけただけで終わる=木が弱る=さらに樹液が出にくくなる」ということになってしまいます。そもそも、山に生えている木は「国や自治体、個人の所有物であることも多い」ので、木を傷つけることは絶対にしてはいけないです。

花火で洞から燻し出すと虫が採れなくなる(傷つけるよりもさらに悪質!!)

オオクワガタ採集などで昔耳にしたこともあるのですが、「木の洞に入った虫を取り出すために花火を使う方法」も昔、ありました。ですが、これをしてしまうと洞の中の虫が全滅し、花火の煙の残り香で「虫が何年も寄り付かない状態」になってしまいます。

当然、ボクトウガなどの樹液を出す虫もやってこないので、花火を使うとそのあと5~8年くらいはカブトムシやクワガタ採集のポイントとして使えない状態となってしまいます。

一時の欲望に流されると、残念なことになる典型ですので……昆虫採集における「欲にまみれた最低なこと」だと知っておいてください。生き物採集は欲にまみれてすることではありませんし、一部のそういう人のせいで奄美諸島や沖縄などでは、大きく規制が入った残念な事実があります。

⑤木を蹴ったり、ゴムハンマーで叩いたりする

木の下にカブトムシやクワガタ死骸があるけれど、樹液が出ているようではない……そんな時には、「木を蹴ったり、ゴムハンマーで叩いたりする」のも有効です。日中でもクワガタやカブトムシのメスは活動していることも多く、木の上の方に居ることもしばしばあります。そのため、木に衝撃を与えることで落ちてくることもあります。

ただし「木に衝撃を与える前に「スズメバチがいない」ことを確認しておいてください。木のすぐ上にスズメバチがいて、怒って刺されると大変なことになりますから。

雑木林の中では、スズメバチは「オレンジ色の丸い奴」として目につきやすいです。空中や木の幹、木の上などにオレンジ色が無いかをよく確認してください。

「樹液が出ている木があった!! カブトムシがいる!!」――と喜んで近づいたら、木の後ろにオオスズメバチが5匹もいた……というような場合もあり得ます。目の前に欲しいものがあっても、周囲の安全を確認してから採集するのが大切です♪

 

まとめ:鹿児島市内や鹿児島県内でカブトムシやクワガタ探しを楽しまれて下さいね♪

今回の記事では、鹿児島市や鹿児島県内でカブトムシやクワガタ探しをするコツをお伝えしました。2023年は7/22にカブトムシやクワガタ探しの講座を開催しましたが、2024年にも開催できたら良いなと考えています。(8/5は台風による雨により中止でした)

また、「かごしま水槽会」の方で、鹿児島の色々な生き物を観察したり、採集したり、触れ合えたりする機会を作って見たいなとも考えています。今後、ホームページでも告知していきますので、ぜひぜひご参加下さい。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう♪

(第二弾は8月5日開催!参加者も募集中です♬)鹿児島市立少年自然の家とその周辺にて「夏休みのクワガタ探しイベント」を開催しました♪~鹿児島市のクワガタ探し2023年版その①~
2023年7月22日の本日、鹿児島市立少年自然の家とその周辺にて「夏休みのクワガタ探しイベント」を開催しました。 「鹿児島市内でも多くのカブトムシやクワガタが探せる」ということを知ってほしくて徳留アクア工房&NPO法人愛らんどマルシェが合同...