7月も中盤に入りますが、毎年この時期から「水辺の事故」が増えてきます。(残念ながら今年も、すでに水難事故のニュースを耳にしています)
簡易版ですが、「コレだけは気をつけたい」と徳留アクア工房の徳留が感じている水辺の安全対策について、今回の記事で共有したいと思います。
夏休みに「水辺に行きたいな」「魚釣りを楽しみたいな」「アウトドアを楽しみたいな」――と思われている方の参考に、少しでもなれば幸いです。
水辺の安全対策~その1:事前の準備で防ぐ~
水の事故は「事前の準備」で防いだり、リスクを軽減することができることも多いです。
①危険な場所は避ける&なるべく「安全な場所」に行く
大前提として、死亡事故が起きているような危険な場所を避ける――ということも大切だったりします。
滑りやすい溜め池、柵の無い堤防、鉄砲水が起こりやすい渓流、テトラポットの上など……「地元の人が避ける場所は、旅行者も行かない」「立ち入り禁止の場所は避ける」のが一番です。
逆に、自治体で指定されている海水浴場や親水公園では、比較的安全に水辺を楽しむことが出来ます。
②場所に合った「ライフジャケット」を準備する
水辺の事故はライフジャケットの着用で、「生き残る可能性を上げる」ことができます。水辺に行く時には、ライフジャケットの着用を前提として行動するのも必要です。
なお、ライフジャケットを着用すると暑いので、熱中症には気をつけて「休憩をはさむ」「飲み物を飲む」などの注意をして下さい。
また、「船や池用のライフジャケット(落水したらガスで膨らむタイプ)」では、渓流や中流域の河川などの岩が多い場所では使用できない(風船が岩にあたると、破れて沈んでしまうため)ものもあります。
ご自身や家族が行きたい場所に合わせて、ライフジャケットは選ばれて下さい。
③雨が降る日は水辺に行かない
たとえ小雨だったとしても「雨が降る日は水辺に行かない」ということも大切です。
私も一時期、ウナギ釣りにハマっていた時には「小雨の中でも、うなぎ釣りをする」ことがあったのですが……急な増水で背筋の凍る思いをした(竿は流されましたが、生命は助かりました)ことがありました。
なお、それ以降は「雨の日は大きな川は避ける(水が合わさるので、鉄砲水になりやすいため)」と決めています。
雨の中はカッパを着ることで視野が狭くなりますし、足元も滑りやすいです。増水した川に流されたら「浮かばない(土砂を含む水は押し流す力が強い)」ため、海まで一直線に押し流されます。また、濡れると風邪をひく原因にもなります。
ウナギ釣りも「雨が上がってから半日以降が丁度良い」と感じますので、本当に雨の中で釣りをするメリットはほとんどありません。
④「熱中症対策」と「滑りにくい靴」を準備する
川の中や海の近くでも、暑さと水分不足などで熱中症になることがあります。堤防で釣りをしていたり海で泳いでいて、熱中症で「めまい、足元のふらつき、筋肉のつり」が起こると――想像すると、とてもぞっとしてしまいます。
海に落ちたり、溺れたりしないように「熱中症対策」は必須です。(例えば、川の中で釣りをしていても、汗をかきます。脳を熱から守る帽子や日陰での休憩は大切です)
また、滑りにくい靴で水辺に行くことも大切です。ぬるぬるするコケや砂利で滑って、転ぶと怪我や事故の引き金にもなります。長靴も「軽量長靴」や「サイドチェストウェダー(ふとももまでの長靴)」などが売っていますので、私も重宝しています。
なお、鮎釣りをするときに使うような「胸まである胴長という長靴の一種」は、水中でコケると頭が下になって溺れる(下半身の空気が逃げないで溜まってしまうため)、足場や釣り場をよく選んで使わないと危険です。川に浮かんだボールのように流されてしまいます。
(胴長を使う時は、転んで流されても下流に浅くなる瀬など、「流されても腰で停まれる場所」がある場所で使うと安心です。逆に、下流に滝や深い淵があるような場所では胴長では入っては危険です)
水辺の安全対策~その2:近づかないことで防ぐ~
水の事故は「近づかない」ことで防いだり、リスクを軽減することができることも多いです。
①テトラポットにのぼらない
テトラポッドの周辺は、色々な生き物や魚がいます。でも、テトラポッドから落ちると「死ぬ確立がとても高い」です。
・テトラポッドで頭を打って失神→水に落ちて死ぬ。
・テトラポッドに挟まれて動けない→潮が満ちてきて溺れて死ぬ。
・テトラポッドで怪我して動けない→潮が満ちてきて溺れて死ぬ。
――などというリスクがあります。テトラポッドから落ちるのが1万回に1回だったとしても、致命的な怪我をすることになりますので、「テトラポットにはのぼらない」のを徳留はお勧めしています。
本当に「苔や牡蠣が付いたテトラポット」は滑ります。たまにテトラポットの上で釣りをされている方がいますが――鹿児島は「桜島の灰でテトラポットの上が滑ること」がありますので、ご注意ください。
テトラポットに乗って大物を釣りたい――というのも理解できます。でも、「大物と命とどっちを優先しますか?」と私は考えてしまいます。
②河川では、「水深の深い場所」や「地元の人が避ける場所」は行かない
水のエネルギーは、水量が増えれば増えるほど大きくなります。水深が80㎝を超えるような場所には、踏み入らないようにした方が良いです。基本的に「川で泳ぐ=自殺行為」だと徳留は思います。
川で泳ぐのは、「昔から地元の人が泳いでいた場所でなら、比較的安心」なのですが……「地元の人が泳がない場所は、何かしらの危険がある」と考えて間違いがありません。
・急に水深が深くなっている
・流れが複雑になって足元をすくうようになっている
・一度沈んだら、岩やテトラポットの下に吸い込まれる流れになっている
・砂地が崩れやすくて足を取られる
・過去に死亡事故が起きている
――などの危険があるからこそ、「地元の人が避けている」のです。
③初心者は「夜の水辺」は避ける
夜の水辺では、昼間とは違った様子が感じられます。
夜行性の生物が出てきたり、生き物の警戒心が薄れたりするので、徳留も「夜の水辺」は大好きだったりします。
――とはいえ、夜の水辺は危険もいっぱいあります。視界が狭くなる、足元が見づらくなる、夜行性のヘビや毒虫が出てきやすくなる、などで水に落ちたり、怪我をしたりする危険性が昼間よりも高くなります。
例えば「夜釣りをしていて、伸びた草のツルに足を取られて転ぶ」「側溝を見落として、踏み外して落ちる」というのも、夜の暗い中ではあり得ます。
必ず「明るい時間帯に下見をする」「懐中電灯+予備の電池も持っていく」ようにしてください。(雑木林のクワガタ探しも、同様で下見が必須です!!)本当に、水辺に慣れないうちは、夜の水辺は避けた方が良いです
④落ちた時に這い上がれない場所に近づかない
万が一、水に落ちた時に「這い上がれる」か「這い上がれない」かは、大きな違いがあります。水に落ちても濡れただけで済めばいいのですが――階段が無かったり、苔で滑って陸に上がれない場所では、結局体力がもたなくて溺れてしまいます。
水辺に行く時は、「万が一流された時に、這い上がれる場所はあるか?」を頭に入れて、「無い=近づかない(せめてライフジャケットを着ける)」を徹底してください。
小さな子どもと行く時には柵のある場所を選ぶのも、一つの方法です。
水辺の安全対策~その2:安全な行動で防ぐ~
水の事故は「安全な行動」で防いだり、リスクを軽減することができることも多いです。
①水辺ではふざけない
水辺で「ふざける」と、命に関わることがあります。
ふざけて押したり、ふざけてとび込んだり、ふざけて走ったり……そして、「準備運動なしに水に落ちる」と、筋肉がつって泳げなくなります。
100に1、10000に1かもしれませんが――水辺では、ふざけないことが絶対です。
②「ひざ以上の水深」は要注意! 「足元の滑りやすさ」も注意!
なお、徳留の感想としては(安全マージンを取って)水深の安全性や危険性の目安を――「ひざを超える水深の場所は要注意」「ふとももの水深は危険域」「お尻が濡れる水深は、場所によっては流される」――と考えています。
安全なのは、「ふくらはぎ~ひざしたまでの水深」だと思って徳留は行動をしています。
しかし、水の流れや地面の様子(砂地では崩れやすい、苔があると滑りやすい)でも安全性は大きく変わってきます。石畳やコンクリートにコケが生えて滑りやすい場所では、立ち入らない勇気も必要です。
③アルコールを飲んで、水に入らない
川原でバーベキューをして、アルコールを飲んでから川や海に入る……本当に「死にます」ので、お勧めしません。
アルコールを飲むと判断力が落ちるのか「泳ぎたくなる」ようです。
が、毎年のようにニュースで報道されるように「アルコールを飲んで川や海に入る」と、死にます。絶対にやめた方が良いです。
④川では泳がない
川の水は冷たいです。さらに、想像以上に体温を奪います。
なので、川で泳ぐことはおすすめできないと徳留は思っています。ちなみに「体温が下がる=手足や全身のどこかの筋肉がつる=即溺れる=流される」ため、川に慣れていないと本当に命に関わります。
もちろん、幼いころから地元の川で遊んでいた方は別です。
そうでないなら、川で泳がない方が良いです。川釣りをする方はイメージしやすいと思いますが――河川は「毎年のように環境が変わる」場所です。
大雨によって浅瀬と深みが変わるし、石の配置も変わります。それに伴って、水の流れが変わり「足を引っ張られる流れ」が生まれることや「水中の流木などの障害物(足がひっかかる)」ができることもあります。
まとめ:自然の前では「人間は無力」です。安全に気をつけて、アウトドアを楽しまれて下さい
ここまで、水辺での気をつけたいコトを箇条書きにしてきました。徳留が思いつくままに書いてみたのですが――思いの外、注意点や気をつけたいコトがあると思いませんか?
自然の前では「人間は無力」です。本当に、無力です。
また、台風や洪水など「大量の水の力は恐ろしい力」を持ちます。
そして、水の流れのエネルギーも同様です。
その一方で、しっかりと知識を持って、正しく向き合うことで――自然は「豊かさや楽しさ」を私達に与えてくれます。
「自然の豊かさや恵みを楽しむ」ためにも、水辺への敬意と配慮を忘れずに、安全マージンを持って行動してみてください。人間の方が「自然に対するルールやマナーを守れば、水辺はとても楽しい時間を体験することが出来る、素敵な場所」だと私は感じています。
2024年の夏も、楽しくすごすことが出来るように――ぜひ、皆様も安全を意識してみて下さい♪